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キャラメイクに失敗して幼女になった僕は、いつの間にか最凶ギルドのマスターに!?  作者: 向原 行人
第4章 幼女護衛ギルド設立

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第22話 拠点

「次の段階?」


 僕が質問すると、シュタインさんを始め、コージィさんや十六夜さんなど、ギルドメンバーの一部が顔を綻ばせる。


「そう、次の段階だ。ある意味、我々ギルドの最終目標と言っても過言ではないかもしれない」

「その通り。ギルドと言えば、大勢のメンバーが集まる。大勢のメンバーが集まるとなれば、騒がしくなる事もある。だけどギルドに関係のないプレイヤーに迷惑を掛ける訳にはいかない。となれば、ギルドに必要なのは拠点。そう、すなわち家だ! ギルドのため、いやツバサちゃんのために家――ギルドハウスを購入するんだっ!」

「そして、ギルドハウスに、二十四時間入れるお風呂を作るんだっ!」


 ギルドメンバーたちの熱い語り。

 ギルドハウスを購入するまでは分からなくも無かったけれど、最後に言ったコージィさんの言葉で何だかなぁって気になってきた。

 別に僕はお昼からお風呂へ入らないし、ましてや今は渚の姿だし。それにVRゲームの良い所で、汗を掻いたり、臭くなったりもしない。

 泥まみれになったりしたら話は別だろうけど、一先ず普通に生活している分には、お風呂へ入る必要性が無いんだよね。

 そんな僕の表情から何かを察したのか、ギルドメンバーたちが慌てて口を開く。


「えっと、ギルドハウスを購入すると、倉庫を設置出来るんだ」

「そうそう。所持出来るアイテムに重量制限は無いけれど、所持可能な種類の上限が決まっているからね」

「倉庫があれば、沢山のコスチューム……もとい服があっても、保管出来るからね」


 なるほど。ステータスウインドウに表示されるアイテム欄って、表示されている分しか格納出来なかったんだ。

 今まで無限に格納出来ると思い込んじゃってたよ。

 とはいえ、僕のアイテムはまだ十数種類しかないから、まだまだ余裕はあるけどね。


「あれ? 逆に言うと、ギルドで家を買うまではアイテムを保管出来なくて、一杯になったら売るか捨てるしかないって事?」

「いやいや、冒険者ギルドで預かってくれるよ。ただし、少し高めの手数料が必要になるけどね」

「あ、そういうサービスがあるんだ。でも、手数料が必要なのは悲しいね」

「まぁね。貴重なアイテムであればある程、手数料が高い仕組みみたいだし。ただ、逆にその手数料でアイテムの価値を知るって事も出来るけど。あと、その手数料を嫌ってという訳ではないと思うけど、極一部の廃課金プレイヤーの中には、個人で家を所有している奴もいるらしいよ」

「ふぇぇー。家の値段って、やっぱり高いよね?」

「ピンキリだけど、高いのは高いよ。ユニークモンスターのレアドロップを何個拾えば良いのやら」


 周囲を見渡すと、持ち物の上限がキツイとか、倉庫の手数料が高過ぎるとか、皆結構困っているみたいだ。

 だったら小さな家でも良いから、ギルドとして所有しておければ、皆が助かるのかな。

 だけど、経験値稼ぎもお金稼ぎも、あんまり良い狩り場を知らないんだよね。さっきのシュタインさんの言葉からすると、ユニークモンスターを倒せば良い稼ぎになるみたいだけど。


「あ! 僕、ユニークモンスター一匹知ってます!」

「え? 本当?」

「うん。二、三日前に、川のダンジョンでビッグトードに遭遇したんだ。何とか逃げたんだけど、これだけ強い皆が揃っていたら、倒せないかな?」

「ビッグトード!? ツバサちゃん。遭遇して、良く逃げられたね」

「え? うん。すっごく大変だったけど……そんなに凄いモンスターなの?」


 確かに、取り巻きのフロッガーが延々と湧き続けるし、攻撃も全く当たらなかったけれど、攻撃は強くないし、これだけ人数が集まっていたら何とかならないだろうか。


「ビッグトードは近距離攻撃や生命力は大した事がないけれど、場所がね」

「そうそう。川のダンジョンは狭いし、しかも水中戦になるから、物理攻撃を主体とする奴らは何も出来なくて、魔法攻撃が肝になるんだ」

「それなのに、ビッグトードは魔法攻撃が強力なんだよな。単体攻撃魔法しか使ってこないけど、高射程で高火力のウォーターカッターがヤバイんだ。後衛が一人ずつ殺られていくんだよ」


 あれ? ウォーターカッターって、あの最後に使われた水の遠距離攻撃の事かな? スク水装備で完全に防御出来たけど。

 だったら僕が囮になって、ビッグトードの水の魔法を受け続け……って、それをしようと思ったら、皆の前でスクール水着を着なきゃいけないのか。

 ……ダメだ。渚の水着姿を皆に晒す訳にはいかない。ビッグトードはいろんな意味で危険だ。


「えっと、じゃあ、ネットで他のユニークモンスターを調べようか?」

「いやいや、大丈夫だよツバサちゃん。ちゃんと計画済みさっ! ところでツバサちゃんは、今晩……十九時から二十時くらいって、ログイン出来るかな?」

「うーん。その時間は晩御飯の時間だから無理だと思います」

「そっかぁ。二十二時以降もログイン出来ないはずだから……じゃあ、明日のお昼過ぎは? 十三時くらいから、早ければ十六時まで。遅ければ十八時までかな」

「日曜日ですし、お昼ご飯が済んでいるので、大丈夫だと思いますよ?」

「おっけー。じゃあ、明日のお昼の時間帯でエントリーしておくね」


 エントリー? 何かイベントでもあるのだろうか。


「よーっし! じゃあ皆、明日の昼に備えて、レベルを上げに行こうか!」

「おぅっ! 腕が鳴るぜっ!」

「ツバサちゃんは俺が護るっ! 指一本触れさせねぇ……ってか、触った奴は俺が叩き潰すっ!」


 何だろう。異様に皆のテンションが高いのだけれど。

 シュタインさんを含め、オジサンたちと盛り上がってしまっているし、何があるのか聞けそうにない。


「ねぇ、アオイ。明日って何があるの?」

「ごめんなさい。私も知らないの。それに、明日のお昼は部活があるからログイン出来ないのよね」

「そっかぁ。でも、仕方がないね。学校とか部活も大事だもんね」


 けど、アオイが居ないとなると、このギルドは前衛ばっかりになっちゃうよ?

 あ、でも、さっきギルドスキルを上げたから、十人近くメンバーが増えたんだった。

 ステータスウインドウからギルドメンバーの情報を眺めてみると……新たなメンバーも前衛職ばかりだった。

 流石に比率がおかしくないかな? 一人くらい、後衛職が居ても良いと思うのだけど。

 そんな事を内心思いながらも、大勢の前衛職に囲まれながら狩りを行い、僕はレベル30になった所で、ログアウトしたのだった。

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