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キャラメイクに失敗して幼女になった僕は、いつの間にか最凶ギルドのマスターに!?  作者: 向原 行人
第4章 幼女護衛ギルド設立

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第23話 低年齢プレイヤー補正

 翌朝。

 今日は朝から、町内会のゴミ拾いイベントに強制参加させられる事になってしまった。

 受験生だからと、何とか理由を付けて逃げようとしたのだけれど、それも叶わず、渚と共にゴミ袋を持ってプラプラと町内を練り歩く。


「あー! お兄ちゃん。スマホばっかり見てないで、ちゃんとゴミを拾ってよー」

「拾っているよ? ほら、さっきも空き缶見つけたし」

「それ、めちゃめちゃ最初の話だよっ! もぉー!」


 渚が怒っているので、一旦スマホをポケットにしまって、表向きは真面目にゴミ拾いを始める。

 だけど、知りたかったバードの二次クラスへの転職条件は既に既に読んだ。

 バードの二次クラス、支援特化のミンストレルは、レベル30以上かつ音楽スキルで合計三時間以上、自分を除く誰かを支援する事が転職条件らしい。

 残念ながら、僕はせっかくバードになったというのに、あまり誰かを支援して出来ていない。というより、高レベルプレイヤーと一緒にパーティを組む事が多くて、僕の支援を必要としない人たちばっかりだったんだよね。

 だから、ほぼ丸々三時間掛かると思っておいた方が良いと思う。逆に言えば、コージィさんのバシュカーみたいに、条件を達成するのがいつになるのか分からないという訳では無く、ログインして三時間後にはミンストレルへ転職可能という事だ。


「あ、お兄ちゃん。そっちに落ちている、お菓子の袋をお願い」

「はいはい」


 早くこのゴミ拾いが終わってくれないだろうか。ただただ、そんな事を願いながら、スナック菓子の袋を拾ってゴミ袋へ。

 ちなみに、もう一つの二次クラスであるダンサーの転職条件は、レベル30以上かつ三十人以上の視線を同時に集める事らしい。

 ギルドメンバー全員に協力してもらっても、二十人しか居ないので足りない。

 こちらは、転職条件を満たす事は簡単ではなさそうだ。まぁ元よりダンサーに転職する気もないけどさ。


「それでは、これにてゴミ拾いを終了といたします。参加された皆様は、こちらのジュースかお茶をお持ち帰りください! ご協力、ありがとうございましたー!」


 一時間程経って、ようやく終わった。後は、家に帰ってログインして、ひたすら歌い続ければミンストレルだ。


「ねー、お兄ちゃん。遊ぼー!」

「え?」

「最近、お勉強とか休憩とかで、渚と全然遊んでくれないもん! 日曜日なんだから、一緒に遊んでよー!」


 まだ周囲にご近所の方々が居るにも関わらず、渚が僕にしがみついてきた。

 あらあら、渚ちゃんはお兄ちゃんが大好きなのねーと、オバサンたちが微笑まし目でこっちを眺めてくる。


「渚。とりあえず、一旦お家へ帰ろうか」

「じゃあ、帰ったら遊んでくれる?」

「だけど、お兄ちゃんは勉強しなきゃいけなくってさ」

「じゃあ、お昼ご飯食べた後でも良いから、遊んでよー!」


 ダメだ。これは、放っておいたら渚がずっと僕から離れないパターンだ。

 お昼からは、ギルドの皆でイベントみたいなのに参加するって言っていたし、ログインしない訳にはいかない。


「……はぁ。じゃあ、渚。今からお兄ちゃんと遊ぼうか。でも、お昼からは勉強するからね」

「やったーっ! じゃあ、せっかく外に居るんだから公園へ行こうよー!」


 もう五年生なんだから、お友達と遊びに行けばよいのに。

 内心そんな事を思いながらも、少し大きめの公園へ行って、鳥に餌をあげたり、花を眺めてみたり。

 午後から僕の時間を確保するために、午前中は渚に付き合い、早めの昼食を済ませた十二時半頃に、ようやくログインとなった。


「こんにちはー」


 視界が昨日ログアウトした旅人の街の冒険者ギルドになると、数人のギルドメンバーに囲まれる。


「ツバサちゃん、こんにちは。お昼ご飯は食べてきたー?」

「はい。今日はパスタでした」

「そっか。今、ほとんどのメンバーは、それぞれが最終準備に行っているけど、もうすぐ戻って来ると思うよ」


 シュタインさんの言葉を聞き、ステータスウインドウを見てみると、ギルドメンバー合計三十名のうち、二十七人がログイン状態となってた。


「あ、あれ? シュタインさん。昨日の時点ではギルドメンバーって二十二人だったと思うんですけど、どうして上限いっぱいの三十人になっているんですか?」

「それはね、土曜日も仕事で日中帯にログイン出来なかったプレイヤーが、昨晩から今朝にかけて加盟したんだよ」

「そうなんですか。じゃあ、またギルドレベルが上がったら、要員拡張のレベルを上げないといけませんね」

「そうだね。あと、昨日一気にレベルが上がったけれど、昨晩ツバサちゃんがログアウトした後は、そんな事にはならず、至って普通だったんだ。おそらくだけど、このギルドはツバサちゃんがログインしている間に限り、メンバー全員が低年齢プレイヤー補正の恩恵を受けられて、獲得経験値が増えるんじゃないかなって思うんだ」


 低年齢プレイヤー補正が、ギルドメンバー全員に。

 以前、コージィさんの二次クラス転職を手伝った(?)時には、低年齢プレイヤー補正でアオイより僕の方が早くレベルが上がった事がある。

 それがギルドメンバー全員に適用されるというのであれば、これってかなり凄い事ではないだろうか。


「シュタインさん。低年齢プレイヤー補正が全員に適用されるなら、これからも皆一気にレベルアップ出来ますね」

「うーん。確かにその通りなんだけど、前にも言った通りギルドの情報は全プレイヤーに公開されていて、その情報の中にはメンバー全員の平均レベルも含まれている。そこから、平均レベルの上がり方が異様に速い事だけに目を付けて、このギルドの元々の目的であるツバサちゃん愛好家以外のプレイヤーが加盟したいと言ってこないかが心配なんだ」


 えっと、ツバサちゃん愛好家って何ですか!? いや、答えを聞くのが怖くて、口にも出来ないけどさ。

 とりあえず要約すると、ギルドの方針だとか雰囲気だとかを考えず、効率だけを求めるプレイヤーが近づいて来るって事だよね。

 他のゲームの話だけど、僕はそういうプレイヤーに楽しい雰囲気を壊されて、ゲームを辞めてしまった事もあるし、何か対策を考えないと。


「一先ず、今すぐどうこうという訳ではないけれど、また皆と相談して何か策を考えるよ。それよりも、今はこれからの事に集中しないといけないしね」

「そういえば最終準備とかって言っていましたけど、これから何があるんですか?」

「あ、ごめんごめん。ツバサちゃんに詳しい事を話していなかったね。今日は十三時から、GvG――ギルド同士の戦いがあるんだ。まだ相手はどこのギルドかは分からないけれど、五回戦って先に三勝した方のギルドが勝利となるんだ。勝てばギルドハウス購入に大きく前進するよっ!」

「なるほど。GvG……って、えぇっ!? このギルド、もの凄く偏りがあって、前衛職の人ばかりですよ!?」

「うん。だから皆、自分で体力を回復出来るようにって、回復薬を大量購入しに行っているんだよ」


 僕が知らない所でどんどん話が進んで居て、ギルド設立から僅か一日で、ギルド同士の大きな戦いへ参加する事になっていたのだった。

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