間違えた
烈日が高々と照りつける中、芝生の上に座って必死に『創造』の練習をする粟冬。その傍らでは、剣術の練習を続けながら技能『突刺』を習得しようともがいている夏凪。外れ、木の上では本を顔に乗せたまま眠りこけている夕の姿があった。
「夕の奴、こんなに暑いのによく眠れるな……」
夏凪は木陰に入り、顔を上げてしみじみと呟いた。その時突如、粟冬がふらりと崩れ落ちた。夏凪は慌てて駆け寄る。
「大丈夫か、粟冬」
「大丈夫……たぶん、ガス欠だ……」
ガス欠――能力者が能力を過度に使用した場合、軽度であれば目眩や吐き気、嘔吐を引き起こし、重度であれば命の危険にさらされる。
「最近はどんな感じなんだよ」
「ほかの物も作り出せるようには……まあ、少しだけ……」
夏凪は粟冬を木陰まで引きずっていって休ませた。二人は顔を上げ、木の上の夕を見つめる。
「師匠は本当に本が好きなんですね」
粟冬がしみじみと言った。
「本の虫のクソババアだな」
夏凪がそう吐き捨てた次の瞬間、突如として何かが顔面に直撃した。よく見てみると、それは一冊の本だった。夕がさっきまで顔に乗せていたあの本だ。
「どうやらトレーニングは順調みたいだね。僕が直々にしっかりチェックしてあげようか?」
夕は木から飛び降りると、木刀を手にし、皮肉めいた笑みを浮かべながら二人へ、正確には夏凪の方へと歩み寄ってきた。
「待っ……」
「待てるわけないでしょ、このガキ!」
夕が木刀を振り下ろし、夏凪はすかさず木刀を構えてその一撃を受け止めた。粟冬は立ち上がれなかったため、とばっちりを食らわないよう無言でゴロゴロと横へ転がって避難した。
「ずいぶんと威勢がいいじゃない。師匠に向かってよくも言ってくれたね、クソガキ。前に低姿勢で剣術を教えてくれって頼んできたのも全部演技だったわけ? クソババアだって? 僕は君より年下だよ。自分がクソジジイの間違いじゃないの?」
夕は力任せに夏凪の防御を弾き飛ばすと、一歩踏み込んでさらに速く、重い攻撃を繰り出した。夏凪は肝を冷やしたものの、一瞬の判断で反応し、どうにか猛攻を防御し続けた。
「どうしたの、クソガキ。口先だけは一丁前だね。誰がババアだって? どうしたの、攻撃してこないわけ?」
夕の容赦ない連撃に、夏凪は次第に防戦一方になっていく。
(攻撃してこないっていうか……ぶっちゃけ攻撃する余裕なんてサラサラないんだけどね……。師匠の攻撃、速すぎて全然見えないし……)
粟冬は必死に身体を横向きにひねり、夕が夏凪を……一方的にタコ殴りにしている光景を見つめていた。
「くそったれが……」
夏凪は夕の攻撃を防ぎながら、どう反撃すべきか脳をフル回転させていた。
その時、夕が不意に一歩下がり、いつもの突刺の構えを取った。技能を使うつもりのようだ。
(『突刺』? ……いや、違う! 『突刺』じゃない、斬撃だ!)
夏凪の予想通り、夕は一歩踏み込んだ瞬間に太刀筋を変え、鋭い斬撃を見舞ってきた。夏凪は刹那の瞬間、極めて微小に構えを変化させてその一撃を受け止めた。夕は意外そうに眉をひそめて夏凪を見る。
技能『受け流し』を習得しました。
脳内にそんな声が響き渡り、夏凪は数歩後ずさりして芝生の上に尻餅をついた。夕は木刀を適当に地面へ投げ捨て、顎に手を当てて考え込んだ。
(まさか僕まで技能を習得しちゃうとはね。『挑発』なんて一体何に使うんだか……)
その心の中の声を聞いた粟冬は、そっと夕に視線を向けた。
「俺は……」
夏凪の声が聞こえ、二人は顔を上げて彼を見た。
「なんで俺……先に『受け流し』を覚えちまってんだよ! 『突刺』のためにどんだけ練習したと思ってんだ!」
夏凪が自暴自棄になって芝生に大の字になると、その様子を見た夕と粟冬は思わず吹き出してしまった。
「ふざけんな!!!!」
翻訳ツールを使っているので、間違っていたら教えてください。




