始まりの町ブルム04
町に帰ってきたよ~。門番さんから、私をストーキングしていた冒険者達のことを教えてもらった。普段からあまり評判の良くない人達みたいだけど、さすがに証拠もないし、私が直接何かされた訳でも無くて、ただ後ろを歩いていただけで捕まえることは出来ないって謝られちゃった。
でも話し掛けて足止めはしてくれたみたい。挙動不審な態度で、私を見失ってすぐに町に帰ったらしいから今後も注意しないとね。
町に入ってから索敵魔法で周囲を警戒しながら歩いているけど、例のストーカーさんはいないみたいかな。ギルドの建物に入る前にも中を確認してみたけど、やっぱり居ないみたい。今日は諦めたのかな?このままずっと諦めてくれれば良いんだけど。こういう手前はしつこいのが相場で決まっているからね。
安全は確認したから冒険者ギルドの建物の中に入ってすぐに冒険者依頼受付に向かう。常時依頼の報告をしないといけないからね。
魔物の討伐依頼の報告は、倒した魔物の死体から手に入れた魔石を見せること。魔石も時間で劣化していくから、ギルドにある特別な機械(魔道具っていう魔力で動く機械っぽいやつ。まさにファンタジー!)でいつ頃手に入れた魔石だか分かるみたい。
でも私の収納魔法は時間が止まっているからいつ取り出しても出来立てほやほやなんだよね。普通の収納魔法は時間が止まらないのかな?
とりあえず、いつもの受付嬢さんに魔石を見せるとしようかな。収納からほいほいっと取り出してカウンターに並べていくよ。
最初はにこにこしていた受付嬢さんの顔色が、ウルフの魔石が10個を超えた辺りから笑顔が固まってきて、30を超えた辺りで無表情になった。私が最終的に50個以上の魔石を山のように置いて依頼を報告すると、受付嬢さんが真剣な顔で顔を寄せてきた。
「確認ですが、まさか、ウルフの群れに遭遇したのですか?」
私が頷いて、どの辺りで遭遇して倒したかを説明した。何か問題でもあったのかな?私が首を傾げて質問すると、受付嬢さんが呆れたようにため息した。
「はぁ…。あのですね。普通は冒険者成り立ての人が、群れに遭遇するほど町から離れた場所なんて行かないんですよ!?何かあったらどうするんですか!?死にたいんですか!?」
あ~。なるほどね。確かに言う通りだ。受付嬢さんは私の本当のスキルやステータスなんて知らないんだから、冒険者成り立ての(か弱そうな)魔術師の女の子が独りで町の外の遠くに行って、しかもウルフの群れに出逢ったなんて聞いたら心配するよね。ここは素直に謝っておこう。
私が心配させたことを素直に謝ると、怒っていた受付嬢さんの表情が柔らかくなった。
「今度からは本当に気を付けて下さいね?…それで、どなたかに助けられて魔石だけ貰ったのですか?」
そんなわけないよ。私が正真正銘倒したんだから。そう言ったけど、全然信じてくれなかったよ。そのせいで依頼の成功扱いされなくてお金も冒険者ポイントももらえなかった。ぐすん。まあ、確かに普通は信じられないよね。仕方ないとは思うけど、納得できないよ!
でもお金は必要だから、受け取ってもらえなかったウルフの魔石と死体50体以上とゴブリンの魔石と死体10体ぐらいとミニスライム数体の魔石と死体を一気に素材買い取りカウンターに持ち込んだよ。
値崩れするかなって思っていたら、きちんと全部適正価格で買ってくれた。おかげでちょっと子金持ちになったよ。やったね!ちなみに、死体を持ち込んでも私が倒したと認めてくれなかった。ちょっと期待したのに。ぐぬぬ。
ま、お金は手に入ったからいっか。るんるんとお金を受け取ってそのまま収納に仕舞うと、建物を出るついでにロビーに居る何人かの冒険者のステータスを鑑定で見ておくよ。
〈名前〉 フリード
〈種族〉 人間
〈年齢〉 29
〈性別〉 男性
〈職業〉 冒険者(Bランク)/剣士
〈ステータス〉
レベル 34
HP 1005/1005
MP 226/226
攻撃力 360
防御力 306
魔力 151
精神力 235
素早さ 310
知力 188
器用 285
魅力 132
運 256
この人が今ギルドの中に居る人で一番強い人だね。鑑定した時に一瞬目が合ったような気がするけど、鑑定したのバレていないよね?
素知らぬ顔でギルドから出た私はそのまま宿屋まで直行して帰ったよ。尾行は…居ないね。
受け付けの女の子に挨拶したらさっさと部屋にこもる。そして、さっきの鑑定の結果についてゆっくり考えてみた。
まず、何人か鑑定した結果。レベルが10毎に大きくステータスが変わっているっぽい。スキルまで見るのはさすがに罪悪感があったから見なかったけど、身に付けていた装備は確認したよ。
鉄剣…普通の鉄の剣。品質D。攻撃力+20
鋼鉄の剣…職人が作った鋼鉄製の剣。品質C。攻撃力+55
魔剣フレイムソード…魔鉱石製の炎の魔力が込められた魔剣。品質A。攻撃力+185(+MP消費で炎属性追加ダメージ)
上から順番に、Eランク、Dランク、Bランクの人の持っていた装備だよ。Bランクはさっきあの場で一番強かったフリードっていう人が持っていた武器。魔剣だって。かっこいいね。
もう気付いていると思うし今更だけど、私のステータスってやっぱりおかしいんだね。神様から貰ったステータス分も異常だけど、元々のステータスもおかしいと思う。元々のステータスは推測だから合っているかは分からないけど。
でも、強い分には良いよね?強すぎるといろいろと目立つことも多いけど、その分多少の面倒事がごり押しでなんとか出来るようになるからね。もちろん、面倒事なんて無い方が良いんだけどね。
ふぅ。それにしても、今日はあちこち歩いたからお腹減ったな。今日は何を食べよう?ちょっとがっつり系にしようかな。これだけ動いていれば太るなんてことも無いだろうし。出てこい!から揚げ弁当!ふわぁ~。美味しそう~♪では、いっただきまーす!
もぐもぐ…。あ~そういえば、鑑定している時に思ったんだけど、ちゃんとした武器とか防具が必要かな?もぐもぐ…。一応、刀はちゃんとした武器なんだけどね。もぐもぐ…。適当に作ったから品質も良くないし、すぐに刃こぼれしたり折れそうなんだよね。【刀神】の力のおかげで魔物の骨まですっぱり切ってるけど。もぐもぐ…。折角なら異世界っぽい素材で作ってみたいなぁ…。ミスリルとかオリハルコンとか?あるよね?魔剣があるもんね。もぐもぐ…。ごくん。ご馳走様でした。歯磨きしないと。
さすがに見たこともない存在するのかも分からない金属を出すのは【創造魔法】でも無理だよねぇ、たぶん。でも、ちゃんとした武器も欲しいし、一番の問題はやっぱり防具だよね。今着ている服とか完全に普通の布だから、私の体が頑丈でも服の耐久や防御力が無いせいですぐにボロボロにされそうで怖いよね。早急に何とかしないと、女の子的に危険だよ。でも、全身鎧はさすがにね。どうせならばかわいい服の方が良いよね。防御力があればなおよし。
明日は町を回っていろいろ見てみようか。ストーカーの存在が少し気になるけど、今回の鑑定の結果的にあの程度のごろつきごときが私にどうこう出来るとは思えないし大丈夫でしょ。何か良いのが見付かるといいけどなぁ。
では、寝間着に着替えてっと、寝る前に着ていた服と自分自身を〈洗浄〉でキレイにして…あれ?〈洗浄〉使えば歯磨き要らなくない?…いやいや、気持ちの問題だよね!はい!おやすみなさい!




