表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート転生-おふとんで『うにうに』するだけで今日も世界は平和だった-  作者: あーのるど
第四章 冬は、おふとん

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/86

第七十六話 あったかおふとん

 ひゅー。ひゅるるる。

 ひゅー。ひゅるるる。


 今日は雪が降ってないけど、冷たい風がしんしんと吹いている。


「さむーい」


 ユウトはお布団の中で丸くなっていた。


「ユウトー!」


 元気な声。

 最近、毎日のように朝から来てくれる。

 実はちょっと嬉しい。

 けど、眠たい。寝たい。


 ばっ!


「おはよー!」


「わっ」


 ふとんをまた被ろうとするけど

 リサに邪魔される。


「遊ぼ!」


「さむいよぉ」


「大丈夫!」


 リサはにっこり。


「いっぱい動けばあったかくなるよ!」


「うぅー」


 でも寒い。


「ほらほら!」


 リサに手を引っ張られて。


 ユウトはお外へ。


   ◇


「おーい!」


「おはよぉ!」


「おはようございます!」


 ガンツたち、みんなもいる。

 なんだか安心する。


「今日は、あそこの様子見に行こうぜ」


 と、ガンツは森の方をチラリと見る。

 もちろん秘密基地の奥の部屋だ。


「う……うん」


 ユウトはまだ行きたくはなかったけど、みんなと一緒ならと思ってこくんと頷く。


「わふっ!」


 みんなで森へ。


 さくっ。

 さくっ。


 落ち葉を踏む。


 でも。


「さみぃー!」


 ガンツが叫ぶ。


「鼻が冷たいよぉ」


 ポルンもぶるぶる。


「指がかじかみますね」


 ミックも手をこすこす。


 わんわんも。


「わふっ!」


 元気いっぱいしっぽを振ってる。

 寒くなさそうだ。


「リサも寒ーい」


 と言ってはぁーっと白い息を吐いて遊んでる。みんなも真似する。

 でも、歩いてるうちに。

 体はだんだんぽかぽか。

 遠くに見える大きな木。

 だんだん近づくとあの木が優しい笑顔でようこそ。おいでおいで。してるように感じた。

 みんなでだんだんと足が早くなる。

 急いでまずは秘密基地へ。


   ◇


「うぅー、寒い。寒い」


「さむかったぁ」


「手が冷たいですぅ」


 と、ミックがポルンに手をくっつける。


「ひゃっ」


 その様子になんだか楽しくなって。

 あははっ。

 みんな笑った。


   ◇


 秘密基地も寒かった。


「帰るか?」


 ガンツがユウトに先に行きたくないか確認してくれる。優しさが伝わってくる。


「ううん、いくよ」


「でも、その前に」


 リサはにんまり。


「もっと遊びたいの」


「遊びたいですが、寒いのをどうにかしたいです」


「うん、寒いよぉ」


 ミックとポルンはかなり寒そうだ。

 その時。


「あっ!」


 ユウトが立ち上がった。


「いいこと思いついた!」


「ん?」


「あれだよ、あれっ」


 ユウトはにっこり。


「あれ?」


 リサが首をかしげる。


「おふとん召喚!」


 ぽわん。


「きゃー!きたー!」


 ふかふかのお布団。


「おっ、いいなー!」


「わははっ!」


「いつ見てもすごいです!」


「わぁーい!」


「わふー!」


 みんな飛び込んだ。


 ぼふっ。


「うおぉぉぉ!」


 ガンツが目を丸くする。


「あったけぇ!」


「ふにゃぁ~」


 ポルンはごろーん。


「これは最高ですねぇ」


 ミックもうっとり。


「ふふーん」


 リサもごろごろ。


「おふとんさいこー!」


 わんわんも。


 ごろん。


「わふぅ~」


 しっぽぶんぶん。


   ◇


「うにうに~」


 リサがふとんの中でもぞもぞ。


「うにうに~」


 ユウトももぞもぞ。


「わはは!」


「なんだそれ!」


 ガンツも真似する。


「うにうに~」


「きゃはははっ!」


 みんな大笑い。


 すると。


「くんくん」


 ポルンが鼻をぴくぴく。


「なんかいい匂い!」


「え?」


「ユウトのお腹だぁ!」


「わははっ!」


「お前腹減ってるだけだろ!」


「だってぇ」


 ポルンのお腹。


 ぐぅ~。


「きゃははは!」


 みんな笑った。


   ◇


 みんなでおふとんの中に入って。

 おやつの時間。


「ボク、干しいもあるよ」


「リサ干柿持ってきた!これ甘いよ」


「見て見て。おにぎりとおまんじゅう」


 いろんなお菓子や食べ物を持ってきて。

 どれも美味しそう。

 みんな笑顔だ。


「わふっ!」


 みんなで分けっこ。


「あっ、おいもさんおいしーよ」


「うん、おいしいですねぇ」


「ポルンのまんじゅう、いつも旨いな!」


「わふわふ!」


 そして。

 ぽかぽかで。ふかふかで。

 ごろごろ。うにうに。

 ごろごろ。うにうに。


「もう出たくないー」


 リサがふとんにくるまる。


「オレもー」


「ボクも」


「私もです」


「わふぅ」


 すると。

 みんなの笑ってる顔。

 すごく楽しそう。

 なんだか、自然に笑顔になった。

 胸の奥がすごくぽかぽか。


「ふふっ」


 ユウトも笑った。


「やっぱりみんなといるの楽しい」


「ん?」


 リサが顔を出す。


「なんか言った?」


「ううん!」


 ユウトはにっこり。


「なんでもない!」


「ふーん?」


 リサもにっこり。


「リサも!」


「みんなといると楽しい!」


「わはは!」


「そうだな!」


「ですね!」


「お腹いっぱいだよぉ!」


「わふっ!」


 みんな笑った。


   ◇


「よしっ、最後に見て帰るか!」


 ガンツが言って。

 みんな、こくんと頷く。


「行くぞー」


 奥の部屋。


「えっ!」


 部屋の真ん中には。

 大きな鏡。

 どうして?

 だれが?


 ユウトは驚きを隠せない。

 みんなはにこにこしてる。


「わははっ、びっくりしただろ?」


「えっ?」


「よし、帰ろー!」


「えぇー!」


 みんな、何も言わない。


「えっ、えっ、どうして鏡があるの?」


「ふふっ、ユウトよく見て」


 ん?と思い、よく見ると。

 鏡と思った、その場所には。

 木で出来た板だった。

 少し不恰好。


「みんなで作ったんですよ」


「ふっふっふっ、引っかかったねぇ」


「わははっ、ユウト目が丸まるだったぞ」


「ユウトに元気出して欲しくて。みんなで作ったの。本当は鏡を置きたかったけど、それは無理だったから。今はこれでがまんしてね」


「わふー!」


 うぁーん。


 みんなありがとう。

 気持ちが溢れだす。


「わっ、わっ、やりすぎですよ、ガンツ」


「いやミックだって賛成してたじゃんか」


 みんなわたわたしてる。


「あははっ。ううん、これはうれしくてだよっ」


 ユウトは、すごく温かい気持ちになった。

 ボクには頼もしい友達がいる。

 鏡がなくったって、鏡を作ってくれた。

 みんな、すごい!!

 すごく、すっごく嬉しかった。


   ◇


 外に出ると。


 ひゅるるる。


 冷たい風。


「さむー!」


「あははは!」


「走れー!」


 みんな元気いっぱい。

 でも、ボクの心は晴々していた。

 そして。

 その日の夜。

 お布団の中。


 ぬくぬく。

 ぽかぽか。


 ユウトはふとんをぎゅっと抱きしめ。


「えへへっ。おふとん、さいこー」


 いつものユウトだ。


 すやぁ。


 外は、しんしんと寒く。

 ふわふわと雪が降り始めている。


 冬は寒い。

 でも。

 おふとんと。

 みんながいれば。

 今日も世界はぽかぽかだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ