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チート転生-おふとんで『うにうに』するだけで今日も世界は平和だった-  作者: あーのるど
第三章 秋は、美味しい

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第七十一話 うーにーず②古代遺跡、再び

 ららら~♪

 食べ物いっぱい~♪

 妖精様も~♪

 これで後は帰るだけ~♪

 ららら~♪


 わんわんの上でご機嫌なジーン。

 緑の葉っぱのお帽子に。

 緑のワンピース。

 手にはわんわんの毛を持って。

 幸せそうに歌ってる。


 ららら~♪


「ところで、ジーン。どうやって王国に帰るの?」


 ご機嫌のジーンにリサが聞く。


「そうね、こんだけしてもらって何も答えないんじゃ、王族の名折れだわ。とくべつに教えてあげる」


 ジーンはパチリとウインク。


「「お、おうぞく!?」」


 初耳である。


   ◇


「くすくすっ。あら言ってなかった?」


 あっ、これ後で絶対驚かそうとしたやつだ。

 くすくすと笑いながらジーンがしゃべる。


「わたしはね、小人王国のジーン=ウーニーズ。正真正銘の第一王女よ」


 ふわりっと。ワンピースの両端を掴み丁寧におじぎ。


「でも、安心して。そんなに畏まらなくって。今までどおりでいいわよ。その方が楽だし」


 またパチリとウインク。


「そっ、なら遠慮なくー。改めてよろしくね。ジーン」


 リサも答える。


「えぇっ、いいんですか?王族ですよ!?」


 ミックはすごく気にしてるのか、おどおど。


「ジーンがいいって言ってるんだから、今さら気にしてもしょうがないでしょ。それにリサたちは王国を助けに行くのよ。いわば【え・い・ゆ・う】よ」


 ふんっ。とリサは長い髪をぱさりと自信満々。

 どこか、楽しげだ。


「くすくすっ。そうよ、あなたたちは英雄で私の友達よ」


 ジーンはまたパチリとウインク。

 流行ってるのかな?


「だから、いままで通りでいいの」


「おぉ。分かったぞ」


「ボクもいつもどおりー」


「わふっ!」


 わんわんもしっぽをぶんぶん。


「うぅーん。王族と友達なんて、本でしか読んだことありませんよ」


 ミックはまだそわそわ。


「わははっ、ミック。今さらだろ」


 ガンツが背中をばんっと叩く。


「そうだよぉ。ジーンはジーンだもん」


 ポルンは栗の袋を抱えながら、うんうん頷いた。


「くすくすっ。そういうこと!」


 ジーンは嬉しそうに笑った。


   ◇


「それで、どうやって王国に帰るの?」


 リサがわくわくしながら聞く。


「うん!」


 ジーンはわんわんの頭の上にぴょこんと立った。


「王国への入り口は鏡を使うのよ!」


 えっへん。とジーンは説明する。


「かがみ?」


「そうよ!転移鏡っていう特別な鏡があるのよ。世界のいろんな場所に隠されてるの」


 すると。


「あっ!」


 ユウトが急に声を上げた。


「どうしたの?」


「ここにもあるよ。その鏡」


 ジーンは秘密基地の奥を指差す。


「この大きな木の根っこのところ」


「へっ!?」


 ジーンはびっくり。

 みんなは、わははっ。と笑った。

 そして鏡のある部屋に向った。


   ◇


「なんだぁ。歩いて行くかと思ってびびってたぜ」


 ガンツが額の汗を拭うマネをしながらいう。


「くすくすっ。歩いたらいつ着くのかしらね」


「でも、偶然ってあるんですねー。夏に見つけたんですよ。ちょうどここにいるみんなでっ」


 ミックが歩きながら興奮してしゃべってる。


「えっ、そーなの?それは妖精様のお導きね。よしっ、その鏡から行きましょ」


「ん?どういうこと?」


 何気ない会話をしていると、奥の部屋に。

 入り口には木の板が立て掛けてあった。

 あっ、そういえばかめ先生が住んでるかも?と思い出す。


 とんとんとん。


「かめせんせー、いるー?」


 ノックするが返事はない。

 朝、村にいたし今はいないのかも?

 と思い、木の板をよけて中に入る。


 そこには。


 古びた鏡。


 みんなが古代遺跡に行ったあの鏡があった。


「これよっ!?」


 ジーンが指差す。


「これ、かめ先生が今は使えないって言ってたよ」


「うん、そうね。でも大丈夫よ」


「ほ、本当ですか?」


 ミックはびっくり。


「うん!」


 ジーンは得意そうに胸を張る。


「この鏡に妖精様のお粉を使うと、小人の王国とつながるのよ!」


「きゃー!!すごーい!」


「わぁ!」


 みんな大興奮。


「でも、まずは食べ物を届けなくちゃ」


 ジーンは人差し指をびしっと立てみんなにたべものを持ってきてと言う。

 ガンツたちの大きな袋が並ぶ。

 中には柿や栗がいっぱい入ってる。

 ユウトやリサは持ってきたお菓子や干しい等をその袋に詰めた。

 リュックがぱんぱんに。

 ジーンは並んだ大きな袋を見て改めて感激する。

 これだけあれば王国中大丈夫だ。

 みんなお腹いっぱい食べれる。


「……みんな待っててね」


 ジーンは大きな袋に触りながら、ぼそっと呟き。


「それじゃ、まず最初に食べ物を送りたいかなー」


「ボクたちが、もっていかないの?」


 ユウトが聞くと


「うん、先に送ったら楽でしょ。それに倉庫にも直接送れるから」


「リサ、その妖精様のお粉少し分けてもらっていい?」


 とジーンが言うとリサは袋をはい、どうぞ。と手渡す。

 妖精の粉。

 キラキラしてる。


「よーし、やるわよー!」


 袋の中に手を入れ、妖精様のお粉を手ですくう。

 そして、鏡の前にたって。

 静かに。

 華麗に。

 歌い。

 踊り出す。


 ららら~♪

 ららら~♪


 たんっ。たっ。たっ。たんっ。

 たんっ。たっ。たっ。たんっ。


 くるくる回って、歌いながら踊る。


 すると、鏡に映ったところ。

 ジーンの手の部分が跡を残す。

 

 ららら~♪

 ららら~♪


 たんっ。たっ。たっ。たんっ。

 たんっ。たっ。たっ。たんっ。


 徐々に。

 その跡が扉の形を作った時。

 鏡がゆっくり光り始める。

 淡い銀色。

 そして。

 鏡の中に景色が映る。

 違う景色。

 知らない空間。

 少し薄暗い。

 どこかの建物の中。

 大きな空間が広がってる。


   ◇


「よーし、今のうちに入れてー!」


 そう言ってジーンはまだ踊ってる。


 ららら~♪

 ららら~♪


 たんっ。たっ。たっ。たんっ。

 たんっ。たっ。たっ。たんっ。


 額には汗がにじむ。

 きついのかな?

 大丈夫かな?と心配になる。


「おー!」


 そういって、ガンツとミック二人で袋を持ち近づく。


「おい、ジーン。そのまま袋を近づけていいのか?中に人がいたら危なくないか?」


「うん、大丈夫よ。中でも同じように光ってるから。誰かいたらすぐ気付くわ」


「それなら安心だな。ミック入れるぞ!」


「はい、そうですね。ガンツ、入れましょう!せーのっ」


 そういって二人は両手で大きな袋を持ち鏡に近づける。


 すると……


 ふわっと吸い込まれるように消える。

 そして。

 鏡の中にどすんっ。と出てきた。


 「おぉ、すげーっ」


 ガンツとミックは、驚きの余り固まってる。

 不思議な光景だ。


「よし、次~」


 二つ目、三つ目の袋を入れ終わり、ようやく片付いた。


 ジーンが踊るのをやめると、鏡はだんだん光が弱くなり、また扉も消えていった。


   ◇


「よーし、それじゃ、いよいよ私たちよー!」


 はぁ、はぁ。


 と、ジーンの額には大粒の汗。

 明らかに疲れてるのに。

 休むのが勿体ないとばかりに。

 ジーンは行こうとする。


「うん!つ、次はいよいよ私たちかぁ」


 リサも早く行きたいとばかり目がキラキラしてきた。


「おー!」


 みんなが手を上げた。


 その時。


 ぐぅ~~。


「ん?」


 ポルンのお腹が鳴った。


「あっ」


「ポルン?」


「えへへぇ」


 ポルンが照れ笑い。


「お昼食べてないよぉ」


「わははっ!」


 ガンツが笑う。


「オレも腹減った!」


「私もです!」


 ミックもお腹を押さえる。


「そういえばリサたちも遊びっぱなしでだったね」


「わふぅ」


 わんわんもぺたん。


 すると。


 ジーンがくすくす笑った。


「それじゃ、出発の前にごはん休憩ね。私も休憩したいと思ってたのよ」


「さんせー!」


「ボク、おにぎりあるよー」


 ユウトがリュックをぽんぽん。


「リサは、パン持ってきたよ!」


「わーい!」


 みんなで輪になって。

 おにぎり。

 パン。

 お菓子のクッキー。

 おまんじゅう。

 みんなで仲良く分けっこ。


「ん~、おいしぃ」


 ジーンは幸せそう。


「人間の食べ物っておいしいわぁ」


 みんなで、パクパク美味しいねと食べていた。

 その時。

 鏡の奥で。


 ぽぅ。


 小さな光が揺れた。


「あれ?」


 ユウトが気付く。


 でも。

 みんな夢中でご飯を食べていた。

 そして。

 誰も知らない。

 鏡の向こうで。


「ジーン王女様!」


「ジーン王女様ぁ!」


 小さな小人たちが。

 今か今かと。

 帰りを待っていることを。

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