第七話 にゃーにゃーは、どこへいく
「ユウトー! 見て見てー!」
「んー?」
ぽかぽかのお昼。お昼寝してたら、リサとわんわんが走ってきた。
「大変!」
「わふっ?」
「しろねこさんいたの!」
「にゃーにゃー?」
「そう! しっぽふわふわで、すっごくかわいかった!」
リサはわくわくした顔で、ぴょんぴょんしている。
「今ね、村の裏の方いったの!追いかけよう!」
「おぉー……」
なんだか冒険っぽい。
わんわんも、しっぽをぶんぶん振った。
「わふっ!」
「わんわんも行くって!」
「よーし、しゅっぱーつ!」
リサがずんっと指を前に向ける。
「おー……」
「元気ない!もう1回」
「おぉー!」
「わふっ!」
よしっ。と笑顔のリサが先頭を行く。
なんだかわくわくしたので、ボクもちゃんと歩いた。
◇
「いたー!」
村の石垣の上。
白いねこが、しっぽをゆらゆらしていた。
「にゃー」
「あっ、ほんとだ!」
「わんわんみたいに真っ白だね」
「わふっ」
ふわふわの白ねこだった。目がきらきらしている。
「しろにゃーだね!」
「わふっ!」
わんわんが前に出る。
すると。
ねこは、ぴょんっと飛び降りた。
「あっ、逃げた!」
「追いかけろー!」
リサが走る。
わんわんも、てちてち走る。
「わふぅー!」
「まってぇ……」
ボクも後ろからついていく。
◇
しろにゃーは、村の裏道をすいすい進んでいく。
「はやーい!」
「ボクたちに気付いてるよね!?」
「にゃー」
ちらっ。
しろにゃーは振り向いた。
「あっ、見た!」
「どこにいくんだろ?おうちに案内してるのかも!」
「おぉー……」
曲がり角を曲がって。小さな橋を渡って。 草むらを抜けて。
「わぁ……」
「村の外まで来ちゃった!」
森の入り口だった。
葉っぱがさらさら揺れている。
「どうする?」
「リサお姉ちゃんがいるから大丈夫よ。ぼうけんしよっ!」
「うん、分かった!」
「わふっ」
わんわんも、嬉しそうに飛び跳ねた。
◇
森の中。
しろにゃーは、ときどき立ち止まって、こっちを見ていた。
「待ってくれてるのかな?」
「やさしいねぇ」
「にゃー」
でも。
高い木の根っこを、ぴょんっと飛び越えたり。
細い石の上を、すたすた歩いたり。
「すごい……」
「ねこさん、森の達人だ……」
「わふぅ!」
わんわんも真似する。
ぴょん。
ずるっ。
「わふっ!?」
「あっ、転んだ!」
「わんわん、どんまい……」
リサが笑う。
その時だった。
草むらが、もぞっ。
「!?」
「わんわんっ!」
出てきたのは。
あのお母さんわんわんだった。
「また会えたー!」
「わふぅ」
大きなお母さんわんわんは、のっそり歩いてくる。
そして。
しろにゃーの隣に、どすんっと座った。
「にゃー」
「わふ」
「わぁ、しろにゃーと、おともだちだったんだ!」
「ほんとだね!」
しろにゃーと、お母さんわんわん。
普通に仲良しだった。
◇
「ついてこいってことかな?」
「ぼうけんだね」
しろにゃーと、お母さんわんわんは、ならんで歩き出す。
その後ろを、みんなでついていく。
すると。
大きな木の下へ出た。でもなんか見覚えある気がする。
「わぁ……」
葉っぱの間から、光がきらきら落ちてくる。
ぽかぽかだった。
「きれい……」
風が吹く。
さらさら。
葉っぱの音が気持ちいい。
「ここ、秘密基地の裏だよ!」
「あっ、それだ!なんか見たことあると思ったんだ」
その瞬間。
お母さんわんわん、ごろん。
「寝た!?」
しろにゃーも、くるん。
「にゃー」
「ねこさんも!?」
わんわんも、ぽふっと座る。
「わふぅ……」
「みんな休憩するんだ……」
リサも、木にもたれた。
「なんかここ……落ち着くねぇ」
「うん……」
ボクは静かにうなずく。
「……おふとん」
ぼふんっ!!!
「出たぁー!」
巨大おふとん召喚。
ふかふか。ぽかぽか。
「これはもう……」
「うん……」
『おひるねだねぇ……』
春の風が、やさしく吹いていた。




