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チート転生-おふとんで『うにうに』するだけで今日も世界は平和だった-  作者: あーのるど
第三章 秋は、美味しい

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第六十四話 いがぐり、ちくちく栗拾い

 んーっ。おふとんから出たくなーい。


 おふとん気持ちいぃ。


 うにうに。


 うにうに。


 お布団の中でいつまでもうにうにしたい。


「こらっ、ユウトそろそろ起きなさい」


 と言って、ふわっとした洋服を着たお母さんは両手を腰に当てている。


「うぅぅ、もうすこし。もうすこしだけ」


 ユウトは布団に潜り込む。

 でも、お母さんはばっとお布団をはいで、にやり。


 んー、お母さんのいじわる。


 朝ごはんを食べて縁側に。

 ぼーっと、お外を眺める。


 ひゅるるる。


 気持ちのいい風が吹く。

 黄色い葉っぱがさらさら。

 赤い葉っぱがくるくる。

 気持ちのいい日だ。

 今日はなんだかいいことありそう。


 と、思っていたら外から3人組が手を振りながらやってきた。


「おーい、ユウト。今日は栗拾い行くぞー!」


 ガンツが元気いっぱい。


「わーい、やったー!」


 ユウトも両手を上げる。


 わんわんも。


「わふっ!」


 しっぽをぶんぶん。


「いっぱい拾って、栗ざんまいっ!」


 ポルンは両手をぱんっと叩き、広げる。

 やる気満々。


「栗ご飯!焼き栗!栗のお菓子!」


 ポルンは鼻をくんくんさせながら、両手を組みしゃべる。


「おい、ポルン。まだ拾ってからだぞ。いつも食べる話ばっかりだなー」


 ガンツが笑う。


「あははは!」


 みんな大笑い。


   ◇


 森の中。


 ざわざわざわっ。


 ざわざわざわっ。


 風に揺れる栗の木。


「わぁー!」


 ユウトが目を丸くした。


「いっぱい落ちてる!」


 ころころ。


 ころん。


 茶色い栗があちこちに落ちている。


「わぁ、まだたくさん、ありますね!これは拾いがいがあります」


 ミックも大喜び。


「いっぱいだー!」


 すると。


「おっ!」


 ガンツが見つけた。


「でっかい栗がある!」


 緑色のいがぐり。


 ちくちく。


 とげとげ。


「中に栗が入ってるぞ!」


「ほんとだ!」


 ユウトは嬉しくなって。


「えいっ!」


 開こうと手で触る。

 ぺたっ。


「いたっ!」


「わぁ!」


 手を引っ込めた。


「ちくちくした!」


「あははは!ユウトくん。栗は自分を守るために、とげとげの洋服を着てるそうですよ」


 ミックが笑う。


「どうして、とげとげにするの?」


「それは、カッコいいからです!……たぶん」


「わははっ、たぶんかよ!」


ガンツは大笑い。


「くりさん、とげとげはおこってるのかなー?」


 ユウトは心配になる。


「わんわん、ちくちくするよ。あぶないよ」


 わんわんも。


 くんくん。


 ぺろっ。


「わふっ!?」


 びっくり。


 慌てて鼻をふりふり。


「あははは!」


 みんな大笑い。


   ◇


「素手は危ないですよ!」


ミックは得意そうに枝を持つ。


「こうやるんです!」


 バシッ。バシッ。


 すると。


 ぱかっ。


 いがぐりが割れて、中の栗が顔を出した。

 ミックが得意そう。


「おお!」


「さすがミック!」


 ガンツが枝を拾う。


 バシッ。


 バシッ。


「こうか?」


「そうです!」


 いがぐりが割れる。


 ぱかっ。


「わぁ!」


 中から。


 つやつや。


 ぴかぴか。


 大きな栗が三つ。


「すごーい!」


「いっぱい入ってるー」


 ポルンも目をきらきら。


「栗さんだー!」


 ユウトも大喜び。


 わんわんも。


「わふっ!」


 しっぽぶんぶん。


   ◇


「こっちにもあるぞ!」


 ガンツが叫ぶ。


「ほんとですね!」


 ミックが駆け寄る。


「うわっ!」


 ちくっ。


「いててっ、いたーい!」


「ミック、だいじょうぶ?」


 ユウトはびっくり。


「はい、びっくりしたけど、大丈夫です。ちょっとだけ刺さりました!」


 ミックはあははっと笑う。


「おいっ、説明した本人じゃないかっ。何、ささってるんだよ!」


 ガンツが笑った。


「いがぐり、ちくちくだね!」


「ミック、気をつけろよー」


 ポルンやユウトもつられて笑った。


 その横で。


「くんくん」


 ポルンが真剣な顔。


「どうした?」


「うーん」


「焼き栗にしたら、どんな匂いになるんだろう」


「あははっ、ポルン、まだ早いぞ。まだもっと拾うぞ」


「うん、ガンツ。いっぱい拾うぞー!」


 ポルンは目がギラギラ。

 やる気まんまん。

 どんどん拾う。


「あははは!ポルンに火がついた」


 またみんな大笑い。


   ◇


 その時。


「わっ!」


 ユウトの足元に。


 ころん。


 大きないが栗。


「わぁ!」


「こりゃ、おっきい!」


 ガンツもびっくり。


「すごいですねー!」


 ミックもびっくり。


「ちくちくくりさん、ころころしてきた!」


 見上げると。


 風で揺れる枝。


 ひゅるるる。


 さらさら。


 どうやら風さんが落としてくれたみたい。


「かぜさんありがとう!」


 ユウトがにっこり。


 すると。


 ひゅるるる。


 優しい風が吹いた。


 葉っぱがさらさら。


 なんだか嬉しそう。


   ◇


 気がつけば。


 かごの中は栗でいっぱい。


「すごーい!」


「大収穫!」


「いっぱいだ!」


 ガンツもにっこり。


 ミックも嬉しそう。


「今年も豊作ですね!」


「栗ご飯かなぁ」


 ポルンはお腹を押さえる。


「焼き栗も!」


「甘いのも!」


「早い早い!」


 ガンツが笑う。


 わんわんも。


「わふっ!」


 しっぽをぶんぶん。


 帰り道。


 秋の風がさらさら。


 落ち葉がくるくる。


 かごの中では。


 ころころ。


 栗たちが楽しそうに揺れていた。

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