第六十三話 落ち葉とうにうに
天気のいい朝。
ひゅるるる。ひゅるるる。
肌寒い秋の風で落ち葉が舞っている。
さらさら。
からから。
赤い葉っぱ。
黄色い葉っぱ。
茶色い葉っぱ。
お庭の隅っこに。
いつの間にか。
大きな大きな落ち葉の山ができていた。
「わぁぁ!」
ユウトは目をきらきら。
「おちばのお山だー!」
わんわんも。
「わふっ!」
しっぽをぶんぶん。
くるくる回って嬉しそう。
「風さん、いっぱい集めてくれたのねぇ」
お母さんもにっこり。
「ふかふかそう!」
ユウトは近づいて。
ちょん。
ちょん。
「やわらかーい!」
そして。
「えーい!」
ばさぁっ!
落ち葉の山へ飛び込んだ。
「きゃははは!」
葉っぱが舞う。
わんわんも。
「わふー!」
ばさばさっ!
葉っぱだらけになった。
「あはは!」
ユウトも大笑い。
◇
「ユウトー!」
元気な声。
「何してるのー?」
リサが走ってきた。
「あっ!」
「リサ!」
「おちばのおふとん!」
「ほんとだー!」
リサも目をきらきら。
「リサも!」
ばさぁっ!
「きゃははは!」
二人とも葉っぱまみれ。
わんわんも。
ばさばさばさ。
顔に葉っぱ。
頭に葉っぱ。
「わんわん、葉っぱのおぼうし!」
「あはは!」
リサもお腹を抱えて笑った。
◇
ごろん。
ごろん。
二人は寝転がる。
ぽかぽか。
ふかふか。
さらさら。
葉っぱの匂い。
「気持ちいいねー」
「うん!」
すると。
ユウトの目がだんだんとろーんと。
「ふぁー、眠くなってきたね」
「うん、眠たくなるね」
ふぁーっと両手を伸ばしながら
リサもあくびする。
「そだ。ゆっくりお昼寝しよ」
「するー!」
リサも元気いっぱい。
「おふとん召喚!」
ぽふん。
ふかふかのおふとんが現れた。
「わぁ!」
「おふとんだー!」
その上に。
ばさばさ。
落ち葉をいっぱい乗せる。
「もっと!」
「もっと!」
わんわんも。
「わふっ!」
前足でぱたぱた。
気がつけば。
葉っぱとおふとんが混ざった。
大きな大きなおふとん。
「秋のおふとんだー!」
「すごーい!」
◇
その時。
「なんだなんだー!」
ガンツの声。
「おおっ!」
「葉っぱだ!」
ミックも目を丸くする。
「なんですかこれ!」
「ふかふかー?」
ポルンはもう飛び込みそう。
「飛び込むぞー!」
ガンツが叫ぶ。
「おー!」
ばさぁぁっ!
「きゃー!」
「わふー!」
「すごーい!」
「葉っぱまみれですー!」
「ふかふかぁ!」
ばさばさ。
葉っぱが舞う。
みんな葉っぱだらけ。
「あははは!」
大笑い。
「がおー、葉っぱのおばけだぞー」
「がおー、がおぉぉ」
ガンツが葉っぱを頭に乗せる。
「きゃー!」
リサが逃げる。
ユウトも。
「がおー!」
わんわんまで。
「わふー!」
葉っぱをつけて走り回る。
◇
いっぱい遊んで。
いっぱい笑って。
気がつけば。
「ふぅー」
みんなごろん。
秋のおふとんの上。
空は雲ひとつない澄んだ青空。
さらさら。
優しい風。
「気持ちいいね」
リサがほほえむ。
「うん!」
ユウトもにっこり。
「リサ、このおふとん好き!」
「ボクも!」
わんわんは。
「わふぅ」
ユウトとリサの間で丸くなった。
すると。
もぞもぞ。
「ん?」
ユウトが顔を上げる。
落ち葉の山が。
ちょっとだけ動いた。
「あれ?」
でも。
さらさら。
風が吹いて。
落ち葉はまた静かになる。
「風さんかなぁ?」
ユウトはにっこり。
「まっ、いいか」
ユウトはまたごろんして、うにうに。
その落ち葉の奥で。
「くすくすっ」
小さな小さな笑い声。
葉っぱの帽子をかぶった小さな影も。
誰にも気づかれないように。
落ち葉のおふとんで。
うにうに。
うにうに。
気持ちよさそうに笑っていた。
今日も。
秋の風は優しくて。
みんなのおふとんは。
ふかふかだった。




