表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート転生-おふとんで『うにうに』するだけで今日も世界は平和だった-  作者: あーのるど
第1章 春は、ほのぼの

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/37

第三話 おふとんは、どこでも出せるらしい

 村の広場は、今日もぽかぽかだった。

 いい天気。

 つまり。


「ねむ……」


「ユウトー!?」


 ボクは木箱の上でぐらぐらしていた。

 うとうと。

 こっくり。

 ふらっ。


「危ない!」


 ぐらん。

 ぼふっ。地面に落ちた。


「だいじょぶ……」


「だいじょぶじゃないよぉ!」


 リサが慌てて駆け寄ってきた。


「またそんなところで寝て!」


「ここ、風が気持ちいい……」


「落ちて痛くなかった?ケガは?」


「うん、大丈夫だよ。落ちる前に起きる予定だったのに」


「起きれるわけないでしょ!ほら、起きて」


 怒れた。ずれた帽子を直しながらボクはリサの手を取り起き上がった。


   ◇


 今日は天気もぽかぽかで、村の広場でいっぱい集まって遊んでいる。

 鬼ごっこ。

 木の棒でちゃんばら。

 お花つみ。

 平和だった。

 でも。


「おい、またユウトが寝てるぞー」


「ほんと寝てばっかだなー」


 少し年上の男の子ガンツたち3人組がやってきた。

 でも、悪い子ではない。

 ちょっといじわるなだけ。


「ユウトー」


「んー……」


「そんな寝てばっかだとキノコ生えるぞー」


「あははっ、すでに生えてるかもしれないぞ」


「キノコなんて生えないよ!いじわる言わないの!」


 リサがつっこむ。

 男の子たちはけらけら笑った。


「リサはいっつもユウトのお世話してるよなー」


「わははっ、おーい、ユウト、いつも寝てばかりで赤ちゃんみたいだなぁ!」


「むぅ……」


 リサは頬をふくらませる。


「こらー!ユウトにいじわるするなぁ」


「わわっ、リサが怒った!やっぱりユウトは赤ちゃんだぁ。わははっ」


 ボクは眠そうに空を見た。

 ぽかぽか。

 ねむい。


「……おふとんほしい」


 その瞬間だった。

 ぼふんっ!!!


「「「うわぁぁぁ!?」」」


 広場の真ん中に。

 突然。

 巨大なおふとんが現れた。


「でっか!?」


「なにこれ!?」


「おふとん……」


 ボクは迷わず飛び込んだ。

 ぼふぅ。


「ふにゃぁぁ……」


 ふかふかでぬくぬく。しあわせだった。

 うにうに。

 うにうに。

 最高。


「えっ、なにそれ!?」


 リサが目を丸くする。

 男の子たちも、おそるおそる近づいた。


「ほんもの?」


「おっき……」


「わぁ、オレも入れてー?」


「だめ……」


「どうして?」


「ボクのだから……」


「ケチくせーなぁ。いいだろ!?」


 その時。

 一人の男の子が、ひょいっと帽子を取った。


「じゃーん! ユウトの帽子あずかったー!」


「あっ」


「返してほしかったら追いかけてこーい!」


 だだだーっ!

 走っていく男の子たち。


「むぅ……」


 でも。

 ボクはおふとんから出たくなかった。


「リサぁ……」


「しょうがないなぁ!」


 リサが追いかけようとした。

 その瞬間。

 ぽふん。


「へ?」


 おふとんが移動した。


「「「えぇぇぇ!?」」」


 なんと。

 ボクごと、すぃーっと滑っていく。


「うごいた……」


「おふとん動いたぁ!?」


 そのまま、のそのそ追跡開始。

 おふとんは遅い。

 とても遅い。

 でも。

 なぜか少しずつ追いついていく。


「なんでぇ!?」


「足が重いー!」


「眠くなってきたぁ……」


 男の子たちはへろへろになっていた。

 一方。

 リサは元気いっぱい。


「待て待てー!」


「リサ、いつもよりすごく速くない!?」


 ついに。

 帽子を持っていた男の子がころんっと転ぶ。


「わぷっ」


「だいじょぶ?」


 リサが駆け寄り、帽子を取り返しながらも心配してる。


「へーき……なんか急に体が重くなっただけ……」


 ボクのおふとんが、すぃーっと到着した。


「ぼうし……」


「はい、取り返しといたわよ」


 帽子返却。

 事件解決だった。


「どうやって動いてたんだ今の……」


「ユウトのおふとん、すごくない?」


「……?」


「ふつうだよぉ」


 ボクは首をふる。


「おふとんは、やさしい……」


「なにそれっ、ユウトは変な事言うわね」


 男の子たちは顔を見合わせたあと。


「……ちょっとだけ入っていい?」


「しょうがないなぁ……」


 数分後。


「ふにゃぁ……」


「ねむ……」


「これやば……」


 子どもたちはみんな、おふとんの周りでごろごろしていた。

 ぽかぽか。

 ぬくぬく。

 平和だった。


   ◇


 夕方。


「ユウトー、帰るよー」


「んー……」


「起きてー」


「おふとん持って帰る……」


「そんなに大きいのにどうするの!?」


 すると。

 ぽふん。

 おふとんが消えた。


「わっ、消えた!?」


「先におうち帰ったのかも……」


「そうだったらすごいね!」


 ボクは眠そうに考えた。


「おふとんも……ともだち……」

「それは、違うと思うよ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ