第十一話 ことりさん、ちゅんちゅん
「んー……」
ぽかぽかのお昼だった。
ボクは縁側に座って、ぼーっとお庭を見ていた。
春の風が、そよそよ吹く。草がゆらゆら。 木の葉がさらさら揺れていた。
「あったかい……」
空は青い。雲はふわふわ。
なんだか。世界が、のんびりしていた。
その時。
「ちゅん」
「……?」
小さな声が聞こえた。
お庭に、小鳥さんが二羽遊びに来てくれた。
「おぉ、かわいぃ」
白っぽくて、小さくて、まるっこい。
二羽はぴょんぴょん跳ねながら、仲良く並んで歩いている。
「ちゅん」 「ちゅちゅん」
一羽が草をつつくと、もう一羽も同じ場所をつつく。
一羽がぴょこんっと跳ねると、もう一羽もぴょこん。
「なかよしなんだねぇ」
なんだか楽しそうだった。
ボクはぼーっと眺める。
◇
ことりさんたちは、日なたの中をちょこちょこ歩いていた。
ぴょん。 ちゅん。 ぴぴっ。
春の風が吹くたび、ふわふわの羽が揺れる。
「やわらかそう」
木の葉がさらさら鳴った。
遠くでも、ことりさんが鳴く声が聞こえる。ぴよぴよぴよ。ゆっくり。静か。
ことりさんたちは、ぴったり並んで空を見上げていた。
「なに見てるの……?」
「ちゅん」
お日さまの光が、庭へきらきら落ちてくる。
木漏れ日が、ぽかぽか揺れていた。
「きもちいいねぇ……」
ボクは、ごろんっと横になる。
あったかい。やわらかい。風が気持ちいい。
ことりさんたちの声が、遠くで聞こえる。
「ちゅん」 「ちゅちゅん」
なんだか。子守歌みたいだった。
◇
さらさら。
葉っぱの音。
ふわぁ。
やさしい風。
ぽかぽか。
春のお日さま。
「…………」
ことりさんたちは、まだ仲良く並んでいた。
ぴったりくっついて。ちゅんちゅん鳴いている。
その声を聞きながら。
「……すぅ」
ボクは、近くにあったタオルケットを握りうにうにしながら、ゆっくり眠りに落ちていった。




