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追放された鑑定士、世界の“バグ”が見えるようになった 〜無能扱いされた俺だけが、この世界のエラーメッセージを読める〜  作者: まままま


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ERROR 04 捕食者は喰えない

ダンジョン深部。


「……この辺、明らかに空気違うな」


ルクスは足を止めた。


ここまでの階層とは違う。

空気が重い。圧がある。


そのとき――


ゴォォォ……


低い唸り声が響いた。


「……来たか」


振り向いた瞬間。


巨大な影が、視界を覆った。


黒い鱗。

圧倒的な存在感。

金色の瞳が、まっすぐルクスを捉えている。


「……ドラゴンかよ」


思わず苦笑する。


普通なら、この時点で終わりだ。


だがルクスは、ゆっくりと鑑定する。



〈ドラゴン〉

レベル:???



そして――



〈ERROR〉

捕食対象:ルクス

結果:失敗(対象保護)



「……は?」


理解する前に。


ドラゴンが、口を開いた。


轟音とともに、突進。


「っ――!」


回避――間に合わない。


そのまま、丸呑みにされる。



「……」


暗闇。


だが――


「……あれ?」


痛みも、圧迫も、何もない。


むしろ、妙に静かだ。


「……?」


次の瞬間。


外から、困惑したような声が響いた。


『……なぜだ』


そして――


ベチャッ


ルクスは、そのまま吐き出された。


「うわっ……!」


地面に転がる。


目の前には、さっきのドラゴン。


だが様子がおかしい。


『なぜ喰えぬ』


低い声で、確かにそう言った。


「……いや、俺が聞きたいんだけど」


ルクスは立ち上がりながら言う。


ドラゴンはじっとルクスを見つめている。


そして――再び鑑定。



〈ERROR〉

捕食判定:無効

理由:不明(権限干渉)



「……権限?」


その言葉を理解するより早く


ドラゴンが、ぐっと顔を近づけてきた。


『お前……何者だ』


「ただの鑑定士だよ」


即答。


沈黙。


数秒のあと――


ドラゴンの体が、ゆっくりと光に包まれた。


「……は?」


次の瞬間。


そこにいたのは――


一人の少女だった。


黒髪。金の瞳。

どこか人間離れした雰囲気を持つ、美しい少女。


「……」


「……」


しばらく無言。


そして少女は言った。


「喰えないなら、観察する」


「いや意味わからん」


「お前、普通じゃない。だから調べる」


腕を組んで、当然のように言う。


「近くにいれば、いつか喰えるかもしれない」


「その発想やめろ」


だが少女は無視した。


「我は“捕食者”。強いものを喰う。それが本能」


「俺弱いんだけど」


「喰えなかった。だから強い」


「理不尽すぎるだろ」


少女は一歩近づく。


じっとルクスを見つめる。


「決めた。ついていく」


「は?」


「観察して、理解して、それから喰う」


「いや最後それいる?」


当然のように頷く。


ルクスは頭を押さえた。


「……マジかよ」


だが、ふと考える。


ドラゴン。

しかも人化できる個体。


普通じゃない。


そして――



〈ERROR〉

個体名:未設定

状態:高位存在



(……これ、かなりやばいやつだろ)


少女は首を傾げる。


「どうした?」


「……いや、なんでもない」


ルクスは小さく息を吐いた。


「……好きにしろ。ただし勝手に人を喰おうとすんなよ」


「善処する」


「絶対しないって言え」


「……善処する」


ダメだこいつ。


だが――


「……まあいいか」


ルクスは歩き出す。


その後ろを、少女が当然のようについてくる。


こうして。


追放された鑑定士の旅に、


“喰えない捕食者”が加わった。


これからもがんばっちゃうよ〜

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