表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された鑑定士、世界の“バグ”が見えるようになった 〜無能扱いされた俺だけが、この世界のエラーメッセージを読める〜  作者: まままま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/27

ERROR 03 ダンジョンと隠し部屋

「……ダンジョン、か」


掲示板の前で、ルクスは一枚の依頼書を見つめていた。


“第一層・簡易調査(低危険度)”


薬草採取で手応えはあった。

だが、この力がどこまで通用するのか――確かめるには、やはりダンジョンが一番いい。


「よし、これでいくか」



ダンジョン入口。


ひんやりとした空気が肌にまとわりつく。


「久しぶりだな……一人で来るのは」


少しだけ苦笑しながら、ルクスは中へ足を踏み入れた。


石造りの通路。

等間隔に灯る魔石の明かり。


しばらく進むと、小さな魔物が現れた。


「ゴブリンか」


反射的に鑑定する。



〈ゴブリン〉

レベル:2



そして――



〈ERROR〉

防御力:-40%(欠損)



「……今度は弱体化か」


ゴブリンの体の一部に、あの“ヒビ”が見える。


だが今回は直さない。


「そのままでいいか」


軽く踏み込んで、一撃。


ゴブリンはあっさり倒れた。


「……バグって、強化だけじゃないんだな」


強くもなるし、弱くもなる。


つまりこの世界は――


常に“正常じゃない状態”が混ざっている。



さらに奥へ進む。


そのとき、ふと足を止めた。


「……なんだ?」


壁の一部。


何もないはずの石壁に、違和感があった。


よく見ると――


空間に、細い“線”が走っている。


今までの“ヒビ”とは少し違う。


もっと大きく、複雑な歪み。


「……これ、もしかして」


ルクスは手を伸ばす。


触れた瞬間――


バキッ


今までよりもはっきりした感触。



〈ERROR〉

隠し領域:未解放



「……は?」


次の瞬間。


壁が、音もなく消えた。


その奥に現れたのは――


小さな部屋。


「隠し……部屋?」


ゆっくりと中へ入る。


中は静まり返っていた。


中央には、古びた宝箱がひとつ。


「こんなの、見たことないぞ……」


慎重に近づき、鑑定する。



〈古い宝箱〉

状態:封印



そして――



〈ERROR〉

解除条件:不要



「……は?」


普通なら鍵や条件が必要なはずだ。


だが、今は違う。


「つまり……」


ルクスはそのまま手をかける。


カチッ


あっさりと、宝箱は開いた。


中に入っていたのは――


一冊の本だった。


「……本?」


取り出して鑑定する。



〈???〉

不明



だが、その下に。



〈ERROR〉

名称:システムログ(断片)



「システム……ログ……?」


意味がわからない。


だが、確実に言える。


これは普通のアイテムじゃない。


ページをめくる。


そこには、見たことのない文字列が並んでいた。


だが――


なぜか、読める。



『対象:世界

状態:不安定

原因:未修復エラーの蓄積』



「……は?」


思考が止まる。


さらにページをめくる。



『修復権限:一部解放』



ルクスはゆっくりと本を閉じた。


そして、小さく呟く。


「……これ、俺が直す側ってことか?」


偶然じゃない。


この力も、この部屋も、この本も。


全部つながっている。


ダンジョンの静寂の中で、ルクスは静かに息を吐いた。


「……面白くなってきたな」


追放された鑑定士は今――


ただの冒険者ではなく、


世界そのものに関わる存在になろうとしていた。

まっすぐ^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ