表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された鑑定士、世界の“バグ”が見えるようになった 〜無能扱いされた俺だけが、この世界のエラーメッセージを読める〜  作者: まままま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/27

ERROR 15 未定義の奥

黒い破片が、かすかに脈打つ。


ルクスはそれを握り込む。


さっきまでの未定義とは違う。


曖昧じゃない。


“形がある”。


「それ、喰えるか?」


ヴェルカが覗き込む。


「やめとけ」


即答する。


「これは魔物じゃない」


「じゃあ何だ?」


「……分からない」


だが一つだけ確信できる。


「誰かが作った“何か”だ」


カインが顔をしかめる。


「ダンジョンの中だぞ?そんなことあるか?」


「普通はない」


ルクスは周囲を見る。


歪みは消えている。


空間も安定している。


だが――静かすぎる。


「まだ終わってないな」


ヴェルカが笑う。


「いいな」


「奥に行くぞ」


ルクスは迷わない。


そのまま歩き出す。


カインが一瞬だけためらう。


だがすぐに続く。


「はぁ……ついてくしかねえか」


通路はまっすぐ続いている。


さっきまでの歪みはない。


だが違和感は消えない。


「……広がってる」


ルクスが呟く。


「何がだ?」


「未定義じゃない」


破片を見る。


微かに反応している。


奥に向かって。


「構造そのものが変わってる」


歩く。


進むごとに、空気が重くなる。


魔力とは違う。


もっと機械的な圧。


「気持ち悪いなこれ」


カインが肩をすくめる。


その時だった。


通路が途切れる。


広い空間に出る。


円形。


天井は高い。


中央に――


“それ”があった。


「……なんだ、あれ」


カインが呟く。


柱?いや、違う。


黒い構造物。


無数の線が絡み合っている。


絡まりながら、組み上がっている。


生きているように動いている。


「……似てるな、さっきの核に」


だが規模が違う。


桁が違う。


ヴェルカが一歩前に出る。


「壊せばいいか?」


「待て」


ルクスは止める。


目を細める。


――見える。


だが今までと違う。


線が多すぎる。


絡まりすぎている。


優先順位が読めない。


「これは……」


言いかけた瞬間。


構造物が脈打つ。


空間が揺れる。


だが歪まない。


代わりに――


音が鳴る。


カチ、カチ、と。


規則的な音。


「……機械?」


カインが呟く。


その瞬間。


視界の端に“何か”が表示される。


「……は?」


文字。


見たことのない形式。


だが意味は分かる。


【ERROR:修正権限を確認】


ルクスの目が見開かれる。


【対象:侵入者】


【処理を開始します】


「おい、これ……」


カインが後ずさる。


ヴェルカが笑う。


「面白いな」


構造物が動く。


床が変形する。


足元から“何か”がせり上がる。


人型。


だが今までの未定義とは違う。


完全に“定義されている”。


「……ガーディアンか」


ルクスが呟く。


赤い線が見える。


だが――


今までと違う。


整いすぎている。


バグじゃない。


「正常……?」


その時、表示が更新される。


【優先順位:修正>排除】


【対象の権限を無効化します】


ルクスの体に違和感が走る。


「……っ!?」


見えていた線が、消える。


「見えない……?」


能力が遮断される。


ヴェルカが首を傾げる。


「どうした?」


「使えない」


短く答える。


その瞬間ガーディアンが動く。


速い。


今までの敵とは比べものにならない。


「ちっ!」


ヴェルカが迎え撃つ。


拳がぶつかる。


衝撃。


だが――


押される。


「は?」


初めての反応。


ヴェルカが後退する。


「硬いな」


カインが息を呑む。


「おいおい……冗談だろ」


ルクスは構造物を見る。。


「これは……」


バグじゃない。未定義でもない。


「“管理側”だ」


ルクスと同じ、修正する側。


ただし――


圧倒的に上位。


ガーディアンが再び構える。


表示が点滅する。


【排除を実行】


ルクスは息を吐く。


「……なるほどな」


静かに言う。


「バグを直してたら、運営に目つけられたってわけか」


ヴェルカが笑い、牙を見せる。


「喰いごたえありそうだ」


ルクスは目を細める。


能力は使えない。


相手は“上位の修正者”。


だが――


「やることは変わらない」


一歩踏み出す。


「壊すだけだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ