表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された鑑定士、世界の“バグ”が見えるようになった 〜無能扱いされた俺だけが、この世界のエラーメッセージを読める〜  作者: まままま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/27

ERROR 14 結果の否定

黒い球体が脈打つ。


次の“結果”が来る。


ルクスは動かない。


目だけで追う。


「来るぞ!」


カインの声。


直後、地面が裂ける。


さっきと同じ。


いや――違う。


「見えた」


ルクスが低く呟く。


結果が先に来る。


なら、原因を潰す必要はない。


「結果を潰せばいい」


ヴェルカが笑う。


「できるのか?」


「やる」


短く返す。


次の脈動。


来る。


ルクスは手を伸ばす。


まだ何も起きていない空間へ。


「――ここだ」


掴む。


何もないはずの位置。


だが確かに“結果”がある。


存在するはずの未来の断片。


それを――掴む。


「っ……!」


激痛が走る。


時間の流れに逆らう感覚。


処理が追いつかない。


それでも離さない。


「消せ」


修正。


バチン、と音が弾ける。


直後――


何も起きない。


地面は裂けない。


ヴェルカが目を細める。


「止めたな」


「ああ」


短く返す。


だが余裕はない。


すぐに次が来る。


三秒。


ルクスは意識を集中させる。


「一秒」


カインへ。


輪郭を固定する。


存在を縛る。


「戻れ」


修正。


カインの姿が安定する。


「戻った……!」


「二秒」


空間へ。


歪みを一つだけ潰す。


足場を固定する。


揺れが止まる。


「三秒」


球体を見る。


次の“結果”が生まれる前。


その位置に手を伸ばす。


未来に干渉する。


「――そこだ」


掴む。


さっきよりはっきりしている。


優先順位が見えている。


迷わない。


「終わらせる」


握り潰す。


修正。


音が消える。


脈動が止まる。


黒い球体に亀裂が走る。


「ヴェルカ!」


「任せろ」


即座に動く。


距離を詰める。


今度は、触れる。


拳が届く。


叩き込む。


衝撃。


球体が歪む。


だがまだ壊れない。


「硬いな」


「もう一回だ」


ルクスが叫ぶ。


「次の三秒で決める」


ヴェルカが笑う。


「いいな、それ」


再び構える。


ルクスは息を整える。


残りの歪みを見る。


全部は無理。


だが――


一番強い核は、目の前だ。


「優先順位は一つ」


球体。


それだけを見据える。


次の三秒。


全てをそこに使う。


「いくぞ」


脈動が再開する。


だが遅い。


ルクスの方が先に動く。


未来を掴む。


結果を引きずり出す。


まとめて潰す。


三秒、全投入。


空間が悲鳴を上げる。


球体が崩れる。


「今だ!」


ヴェルカが踏み込む。


拳ではない。


爪。


本気の一撃。


空間ごと引き裂く。


黒い球体が、縦に裂ける。


そのまま――


砕けた。


音もなく、消える。


静寂。


歪みが、止まる。


空間が安定する。


カインがその場に崩れ落ちる。


「……生きてる」


肩で息をする。


ヴェルカが振り返る。


「終わりか?」


ルクスは周囲を見る。


歪みは、消えている。


未定義の気配もない。


だが――


地面に、残っていた。


黒い破片。


脈打っている。


小さく。


「……まだか」


ルクスが呟く。


その破片に触れる。


今までと違う。


明確な“情報”が流れ込む。


「これは……」


断片。


だが理解できる。


未定義じゃない。


意図がある。


「誰かが……書き換えてる?」


ヴェルカが眉をひそめる。


「誰だ?」


ルクスは答えない。


答えはまだ出ない。


ただ一つだけ、確信する。


「これは自然発生じゃない」


未定義領域。


それはバグじゃない。


“仕組まれた異常”だ。


ルクスは破片を握る。


「……次に進むぞ」


ダンジョンの奥へ視線を向ける。


まだ終わっていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ