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【番外編完結】「醜い」と嫌われた豚令嬢、三年後に元婚約者に嫁ぐことになりました ~ただし離婚前提です~  作者: ボボブラ汁
第一章 本物の婚約者になってみせますわ!

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わたくしも夜這いいたしますわ!

 その日を境に、ヒューバート様とナディーン様は急速に距離を縮めていきました。


 わたくしは、焦りを覚えました。


 ナディーン様のことを「考える」とは、どういうことでしょうか?


 もしかして──。


 胃の腑がきゅうっと締めつけられました。不安と恐怖で。


 居ても立ってもいられなくなったわたくしは、ふと閃いたのです。


 そうだわ。ナディーン様と同じ策を取ればよいのよ!


 すなわち──お色気作戦です。ヒューバート様に「女」を意識させ、籠絡すること……多少強引でも、もうそれしかございません!


 だって、わたくしには時間が無いのですもの。


 長期休暇の間しか二人を見張ることはできませんし、わたくしが侯爵領を離れれば、鮫令嬢(ナディーン様)のやりたい放題。


 わたくしに不利になるのは目に見えております。


 思い立ったら即実行。商機は直感に従えと、いつもお父様やお兄様が仰っています。


 ここで動かずして、いつ動くというのです?



「ヒューバート様」


 決意の夜、主寝室を訪れたわたくしを見て、ヒューバート様は不思議そうに首を傾げました。金の髪がさらりと揺れて、胸が苦しくなりました。愛しすぎて……。


 ナディーン様より、わたくしの方がずっとずっとヒューバート様を好きなのに!


「こんな夜更けにどうしたの?」


 彼は寝室のデスクに向かっておられました。執務室から持ち込んだ書類の処理でしょうか。


 ちらりと覗くと、領地の収支報告書でした。赤いインクが目立ってきているように見えます。


 やはり、お父様が危惧していた通り。


 ヘビントン侯爵領でも、羊毛の売れ行きは思わしくないようです。


 国から奨励され、半ば押し付けられていた牧畜かもしれませんが、そろそろ収入の柱を切り替えるべきではないでしょうか。


 いっそ、羊ごと土地を売ってしまった方が──。


「眠れないのかい?」


 ふんわりとした笑顔を向けられて、訳もなく涙腺が緩みました。


 ああ……わたくし、やっぱり彼が好きですわ。


「分かった、お腹が空いたんだね?」


 ヒューバート様ったら、わたくしがいつもお腹を空かせていると思っているのね。


 わたくしは彼の前に仁王立ちしました。


「ヒューバート様」


 そして、ガウンを脱ぎました。


 二の腕が引っかかって、なかなか脱げませんでしたが──ナディーン様のように、床にはらりと落とします。


 もちろん、下は……その、何も着けておりません。


「シンシア!」


 ヒューバート様は、わたくしの裸体を凝視しました。ナディーン様のときは目を逸らしていたのに、今はギラギラと狼のような鋭い目で──。


 ヒューバート様、わたくしもう十六ですのよ。


 彼が立ち上がり、わたくしに近づいてきました。


 ヒューバート様、わたくしをしっかり抱きしめて! そしてディープなチッスを!


「何をやっているんだ、お腹が冷えてしまうじゃないか!」


 ──ガウンを拾われ、お腹にぐるぐる巻きにされて、怒られてしまいました。


「さ、これでいい」


 ……オッパイは丸出しなのですが。


「寝つけなくても、一緒に眠るのは、さすがにもうやめたほうがいいよ、シンシア。ミラベルなんて、十歳くらいには『兄様キモい』って言って、寝てくれなくなったからね」


 くすくす笑いながら、わたくしの頭を撫でてくれました。


「まったく。いつまでも甘ったれて……可愛いな、シンシアは。ぷくぷくした幼児体型は本当にキュートだけど、そろそろ僕にも見せちゃダメだぞ、こいつめ」

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