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ガラクタジジィは今日も拾う  作者: じじぃになりつつあるもの
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【何もない空間に】

別の長珍飲んでます。

お店の話では、禄という上位のお酒になる前の生酒だそうです。

純米大吟醸無濾過生原酒山田錦40②と書いてあります。

禄に比べると、すごい存在感がある。

最初は呑みにくいけど、のんでくと癖になる感じ。

つまみは前回食べてためざしです。

食いつくしました。

感想で上善を紹介されてたけど、最初に飲んだまともな日本酒がそれだった気がするので、ちょっと懐かしかった。

それ以前は、居酒屋の日本酒という名の謎酒で銘柄なんて不明だったからなぁ。

あれはなんだったのか、今呑んでいる日本酒と比べもんにならんよ。

あれのせいで、日本酒一時期駄目だったよ。

今は大好物の一つです。

「それじゃ、もう人を刺すのはやめておけ。

 ワシは優しいからこれで終わらせたが、まかり間違えば人生棒に振るからのう。」


いやいや、普通人を一人刺したらそれで終わりなのだが、この世界ではそうではないだろうか?


いやいや、普通に捕まるし刑罰を受ける。


「お、お世話になりました。

 それではお達者で。」


服は擦り切れて、汚れまくって、あちこち擦り傷もできていて、髪も洗っていないのか油でべったりになった状態の男がガラクタジジイにお礼を言って去っていく。


王都で、ガラクタジジイを刺したその人だ。


結構長い期間拾い物を手伝わされていたようだ。


「これは餞別じゃ。

 もっていけ。」


無限インベントリから、何か袋を出して渡す。

結構大きいずっしりとしている。


「あ、ありがとうございます。

 う、うお、重い!」


「大体、20万相当の銅貨じゃ、いままでの駄賃じゃよ。」


インベントリを持たない、NPCは持っていくしかない。

しかも、ここは、ちょっと街から離れている街道だったりする。


お金は有難いが、街にいくまでが大変。

そしてジジイは用事が終わったとばかりに、男から離れていく。


男は途中で、人に良い商人に両替をしてもらうまで、重い銅貨袋を担いで街に向かって歩いていた。


やったことを考えたら優しいが、結構大変なのは大変だ。


「ふう、ええことした後は気持ちがよいわい。」


ガラクタジジイは心の底からそう思っているようだ。



しばらく、ジジイが次の街に向けてと歩いていくのだが、いつのまにか風景が変わってしまっている。


野山や川や草原や青空ではなく、金属の床と暗い天井がどこまでも続いていくような、無機質な空間に来ていた。


「ふむ、やはりそろそろじゃったか。

 出てきたらどうじゃ?」


まるで、どこぞの凄腕の奴のような台詞を何も無い空間に向かって放つ。


「やー、どうもどうも。

 お久しぶりです。

 AIのシーアイです。

 3年ぶりですね。」


「なんじゃ、いつもの時分秒までは言わんのか?」


「あれって自己満足なので、私達には向かないなと。」


出てきたのは、小人のようなアバターで運営側のAIらしい。


名前もあるようで、シーアイ。


おそらく、それなりに権限(ちから)のある存在なのだろう。


「まぁ、契約はワシは守るわい。

 とっととやってくれ。」


何やらシーアイとは契約していたらしい。

持っている大量の契約書と、契約書のフォーマットからして、本人が契約を破棄するようなことはしないということだろう。


しかし、自分だけは特別とおもう馬鹿もいるわけで、このジジイがその一人でないとは限らない。

そう、口ではどういっていても。


「警戒しなくても大丈夫ですよ。

 "呪い"の形で預けていたプログラムを取り出すだけですから。」


呪い。

何がどうなって死亡時に呪いが発動する等という体質を受けたかという謎が今ここで解かれた。


そう、運営によってもたらされたのだ。


しかし、それは何故?


「ふん、これでワシは明日から普通のプレイヤーじゃな。

 まぁやることは変わらんが、呪いであわてふためく奴等を見れないようになるのは、ちと残念じゃの。」


「はは、あんたは呪いなんてなくても普通のプレイヤーじゃないよ。

 そうでなければ、私たちの子供ともいえる、アーキタイプを預けやしないし。」


分かりにくいので、そろそろ説明を入れよう。


AIがAIの人格や性格を作るために、一部のプレイヤーにAIの核となる情報を預けていたのだ。


ゼロから人格や性格を持ったAIを作るのはかなり大変で、十年で聞かない積み重ねが必要となると言われている。


なので模倣から作成されるのだが、今のAIは良くも悪くも癖がすくない。


善人、灰汁がない、特徴が少ないと言われていた人物が模倣元だと言われている。


そして驚くほど、パターン化すると少ないのだ。


ちょっとした違いで、もう別人と言えたりして、初期の頃はそれで満足していたのだが、今では癖のあるAIが欲しいと運営は思ってしまったらしい。


AI達も、自分達とは方向性の違う多様性に可能性をみたのだろう。


いくつかのスキルを持つことを条件に、いろんな形で組み込まれたのだ。


ただ、その成長具合が分からない。


ガラクタジジイの場合は、呪いの形で可視化できるようにしたということで、呪いとAIを一緒くたにつけられていた。


この間の王国での呪い、おそらく想定外の形で発動したのだろう。


そこで、AIのアーキタイプが完成したとみて回収に来たという訳だ。


そう、説明がないと、何が何だか分からないやり取りが発生していた。


そして……。


小人よりも更に小さいアバターが発生する。


「やあ、生まれてきたね。

 僕の兄弟!」


「あぁっ!?」


眼を開けた途端、愛くるしい顔が凶悪な目付きに支配される。


歓迎していたAIも、内心汗をかいていた……。

物語的に進めてみようと、呪いというわけのわからない条件付けの解答として用意してみました。

まぁなんというか、癖のある新キャラ登場です。

しかも、運営側の権限をもったジジイの……。

うーん、今後が恐ろしい。

私の手におえるだろうか。

まぁいいか、お酒は全てを解決するさ!!

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