【貴族街のゴミ捨て場】
瀧自慢の備前雄町、無濾過生原酒です。
つまみは、わかめせんべい。
ノリせんべいのわかめ版ですな。
酒の味は濃ゆいですわ。
冷で飲んでいますが、悪くない。
けどこれは、燗のがうまいだろうな。
生酒は基本燗にすると呑みにくい酸味が飛ぶらしい。
けど、これはこれでいいなぁ。
次はどうのもうかなぁ。
3年前にジジイは来たというが、その割には5年分ものゴミが残っている。
ジジイの性格なら、遠慮も何もなく全部回収するまで梃子でも動かなそうなものだが、これには事情があった。
実はジジイが対応するまでは、ここは無造作に今の5倍では利かない量のゴミが堆積していた。
もちろん、ガラクタジジイは喜々として回収をしていたのだが、途中で問題が発生したのだ。
回収できない虫やネズミなどと一緒に、人が掘り起こされたのだった。
貧民街でも生活するのが難しい人達が、ゴミを掘り起こして雨露をしのぎ、残飯から食料を得、襤褸切れから服を作っていた。
その人数を数えるのも面倒なほどで、ここに済みついている人の家モドキは回収できず、中途半端になっている。
そのため、全て回収を諦めつつ、膨大な数のゴミを処理し、スラム街として切り離し結果5年分ほどのゴミが残った。
そういう裏事情があるが、長々と書いたが、今回は関係ないと言っておこう。
今のジジイは喜々として、ゴミを回収しているだけだ。
「しかし、やはり時間はかかりそうですね。
丁度、色々な処も見えるからいいけど。」
「収納するのは無限なんじゃが、入る口は一定じゃからのう。
ここは、譲歩してくれんかったわい。
まったくけち臭いやつらじゃて。」
無限インベントリというだけでも規格外なのに、まだ文句があるらしい。
人間、欲望に再現がないとはこのことか。
いや、何か違う気もする。
「まぁしっかり分かれてるわけでもないしのう。
大体回収したら、いったんアジトへもどるかの。
ところで、何人いたかの?」
「そうだね。
今のところ、プロっぽいのが3人、素人っぽいのが5人程度かな。
後は見つからないのいるだろうし、まぁ報告は素人の5人だけでいいかな?」
まだ、ジジイを付け狙うやつらはいるようだ。
何かを聞きたいのか、殺したいのか、文句をいいたいのか分からないが、あまり穏便な雰囲気はしていない。
殺気か、嫉妬か、欲望か分からないが、負の気配が見た目からして酷いと言えるほどになってしまっている。
「それじゃいくかの。
その間、ソートとかしておくわい。
渡すのは、紙類、服類、宝飾品をメインにピックアップしておけばいいんじゃの。」
「ジイさん、それ言っちゃったら……。
おっと、相手はオレの方だよ。」
ゴミの中から、来た時に見た業者の一人が飛び出し、ナイフを振るうが、マモルが盾であっさり防ぎ組み伏せる。
「まぁ、逝っとけ。」
流れるように、立ったままの状態で首を絞める。
逝っとけとは言っているものの、気絶しているだけだ。
何も言わせて貰えなかったが、宝飾品の話を聞いて出てきたとうことだろう。
場所が場所だ、縄張りみたいなものもあるのだろうことは想像できる。
そして、次の日、素人5人は見えなくなり、心なしか収集業者の人達も少なくなったような気がする。
裏で何があったのか、知るものはごく一部だけだろう。
色々考えていたら、スラムとジジイの奇行が融合しました。
まぁ、ゲーム世界だから時間で戻るとかでもよかったんだけどね。
しかし、死なない世界って大変だなぁ。
脅しとかが色々バグってしまう。
何度も戻って書き直し、殺すぞが脅しにならないんだもんなぁ。




