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新しく支給された自分の機体がデブだった  作者: レント
第二章 コロニー編
28/32

蹂躙と怒りと

ブックマーク100到達!

ありがとうございます!


「歯車には歯車の意地がある」

このセリフ大好きです。

 両脚部でコロニーの大地を踏みしめ、ナトカの乗るALM-9アルムに近いていくT-REX-00レックス。


 初速こそ遅いが、段々と速度が上がっていく。


 あのカノン砲を連続では使ってこない。

 コロニーに穴を空ける程の武装だ、それほどの威力だけに砲身を冷却するため、再び撃つまで時間が掛かるのだろう。


 このまま距離を詰められれば、いずれ相手の武装の餌食になる。



「少尉の機体に近づけるな!」

 ヤレータが部下に突撃を命じ、自らも前に出た。


 GD-98ガエムに90mmブルパップマシンガンを構えさせ、散開しながら近づいていくヤレータの部隊。


「骨のようなフレームは狙わず、装甲の無い部分を狙え!」


 剥き出しの内部を狙う。

 ヤレータの判断は的確だった。



 ただ一つ誤算といえるのは、ガエムの今持っている武装だった。


 90mmブルパップマシンガンは、コロニーへの影響を考え遠距離、中距離ではあまり威力が出ない。

 そのため近づく必要性が出てくる。


 近づいてくるヤレータのガエム達を相手に、レックスのAIはナトカへの歩みを止めずにヤレータ達を殲滅することにした。


 ナトカの方を向いたまま、背部二連装ガトリング砲を後方から接近してくる隊長機であるヤレータのガエムに向ける。


 人間は前を向いて走りながら後ろを振り向かずに後方を確認することなどできない。


 故に

「後ろを向いた!?」

 普通ならできないだろうという常識に囚われてしまう。


 それでもヤレータはしっかりと反応し、その場から急いで移動した。



 背部二連装ガトリング砲が回転を始め、唸りを上げながら薬莢をばらまき弾丸を発射する。


 着弾したコロニーの大地をめくりあげ、破壊し、吹き飛ばしていく。


 すんでのところでかわし、後ろに下がったヤレータの機体にレックスのガトリング砲が追い撃ちを仕掛ける事はなかった。



「隊長!」

「大丈夫だ!お前達は今のうちに弾丸を叩き込め!」


 心配する部下に自分が無事であることを伝え、攻撃するよう命じる。



 レックスのAIは斜め後方から近づいてくる合計四機のガエムに対し、ガトリング砲をばら蒔くように撃つことで牽制した。


 ガエムの内一機が突っ込んでくる。


「今だ!」


 その一機、ガエムに乗っていたパイロットは、それを最期の言葉としてガトリング砲の弾丸をもろに受け、乗機ごと粉々になり散っていった。


「おおおおおっ!」


 仲間を殺された怒りを隠さないまま、一人、また一人とマシンガンの射程圏内へと入っていく。



「撃ちまくれ!」

 追い付いたヤレータが叫ぶと同時に、レックスの両腕部でもあるハードネイルが射出された。



 セブンスの一機であるドゥーベも搭載していたハードネイルは、基本的に無重力下でしか機能しない。

 重力下ではその機能を維持するためには大型化する必要があった。

 しかしその分破壊力が上がり、頑強になった。



 一瞬の内に二機のガエムがハードネイルによってコックピットごと串刺しにされ、コロニーの地面に叩き付けられる。


 そして串刺しにしたまま残りの二機の内、ヤレータの部下の乗るガエムへと叩き付けた。




『艦長……あれを使用します』


 吹き飛ばされてしまい、レックスにかなり距離を詰められてしまったナトカはリュウホに報告した。


 許可をもらうのではなく、使用する前提で報告をした。


 このまま撤退した場合、母艦が停まっている港にまで被害が及ぶ。


 そして何よりも、自分のために命を落とした人々の事を考えるとレックスに対しての、否、ガードナー上層部に対しての怒りが収まらなかった。



「ナルサ少尉、許可はできません……もし使用するのであれば必ず帰還してください。これは艦長命令です」


『……ありがとうございます』



 最後になるかもしれない命令を聞き、ナトカはそれを起動させた。




(落ち着け、俺は俺のやるべき事をやるんだ)

 ノイズしか聞こえてこない無線を無視して、ヤレータは自分に言い聞かせた。


 時間を稼ぐこと自体はできたが、まだナトカは撤退していない。



 と、いうよりこちらの方向へと、禁止兵器へと向かって来ている。



「!?」


 人工的な重力下とはいえ、宇宙に住んでいる人間からすればコロニーの重力は重力。

 だというのに凄まじい速度でナトカの機体が接近してきている。


 驚きを隠せないまま、目視できる距離でヤレータが見たものは。




 全身からバーニアを展開したALM-9アルムだった。

もうお決まりですね、はい。

でもやめられない!

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