過去からの影響
コロニー内ではよくあること
T-REX-00はゆっくりと動き出し、周りを見渡した。
そしてターゲットに指定されたこのコロニー内に存在している兵器、及び人々を殲滅すべく行動を開始した。
『艦長命令により、こちらは一度撤退します。補給を受け次第戦線に復帰しますのでそれまでの間、禁止兵器の足止めをお願いします』
ナトカは未だに開いたままのオープン回線を使いヤレータに報告する。
オープン回線を切る事は、隊長であるドラザ達がしたように外部からでしかどうやらできないらしい。
コロニーにいる人々へと呼び掛けることで混乱を抑える目的があるため、どのみち切らないのだが。
「了解した。あまりにも遅いと我々だけで破壊してしまうからな」
自分達だけでこの状況をどうにかできると祈りを込めて、ヤレータは軽口を叩いたがナトカからの返答は
『了解しました』
だけだった。
「隊長、我々は……」
ヤレータの部下が怯えるような口調をしながらも武器を構えたまま命令を待つ。
「決まっている……」
現在ナトカは、この現状を打破することができるであろう実力をもった彼女は今から撤退する。
(ならば我々に出来ることは一つ……!)
操縦桿を握り直し、ヤレータは部下に命令を下した。
「この化け物をスクラップにするぞ!」
銃口を向けられ、ロックオンされたことを感知したT-REX-00、通称レックスのAIは最優先目標を近くにいるヤレータの部隊、GD-98ガエムに変更する。
それと同時にこのコロニー内に存在している兵器の情報を、ガードナーのデータベースへアクセスすることで得た。
そしてそこからその兵器を扱っている人間を個人単位で調べあげ、戦闘レベルを算出する。
対象を確実に排除するためのものであるが、掛かった時間は人間が行っているものではないため数秒と掛からなかった。
ここでレックスのAIはガードナーのデータベースで、一人のパイロットの情報を得た。
ナトカ・ナルサ少尉
つい先程までこのコロニー内で戦闘を行い、反政府勢力の幹部が率いる部隊をたった一機で撃破、鎮圧し、たった今撤退しようとしているナトカの情報だった。
このコロニー内にナトカの機体がまだいることを確認したレックスのAIは、ナトカの戦闘レベルを過去のあらゆるデータから算出、そして最適な選択を下した。
「ナルサ少尉、あの禁止兵器のデータが取れました。そちらに送ります」
リュウホの声が、ALM-9アルムのコックピットに設置されてる無線を通してナトカの耳に聞こえてくる。
「どうやらあの禁止兵器T-REX-00は、ガードナーのデータベースから情報を得ることができるようです」
禁止兵器の情報を得るためにリュウホがガードナーのデータベースへとハッキングを行った際、その禁止兵器であるレックスがデータベースを理用していたところを逆探知できたのだ。
(これは!)
送られてきた情報に声を上げそうになるのを堪えた。
核動力が爆発すればこのコロニーは壊滅する。
放射能が漏れてもコロニーを廃棄するだけではすまなくなる。
このコロニーを守るためには核動力に影響を出さずに相手を無力化させなければならない。
(どうする……どうやって倒す……!)
ここで不意に、コックピットの中でロックオンされたことを示すアラートが鳴り響いた。
(!?)
咄嗟にワイヤーを伸ばし、撤退中だった無人地帯の地面に引っ掛けその場所から離れる。
その直後に高熱源体が接近、射線上にあるものを吹き飛ばしながらナトカの機体のすぐ横を通りすぎていった。
『がっ……!』
ナトカの機体も吹き飛ばされ、人工の地面に激突する。
(今のは武装にあった口内部大口径カノン砲か?)
確認する暇は無かったがそうとしか考えられなかった。
何故なら着弾した部分には穴が空いていたからだ。
コロニーに穴が空く。
地球に住んでいる人間からは想像もつかない事だが、コロニーに住んでいる人々にとってそれは死に直結する事だった。
ありとあらゆるものが吸い込まれようとするが、コロニーの外壁がスライドし、穴を防ぐ。
ただしこのまま破壊され続ければいずれコロニーが自壊を始めてしまう。
周辺のガエムや人々のいる方向を無視し、レックスはナトカへと最優先へと変えていた。
レックスのAIが下した最適な決断。
それは自分を倒す可能性のあるナトカを徹底的に叩き潰すことだった。
あと少し……あと少しなんだ……!
あと少しで総合300、ブクマ100なんだああああ!
そんなわけでブクマ、評価、感想、レビュー、お待ちしております!




