十三話 心配。
その後は、まるで嵐のようだった。
まずは容疑者であるゴーマンの捕縛。
トーカ曰く、それはルルくんがやってくれたそうだ。
散々ゴーマンから殴られ、気絶する寸前、彼にしがみ付いて自由を奪う呪術を掛けたのだ。
彼は既にブリュレとエリチカの呼んだ兵士に捕まり、すぐに牢に繋がれた。
ゴーマンは犯行を認めず「オレは悪くねえ! ルルが俺を操ったんだ!」と喚き続けている。
それでも、彼がルルくんに殴る蹴るの暴行を行っていたのは『三つ葉』のみならず他にも目撃者がいる。
それが、クエスト先の村人だ。
合同クエストの内容は領地にある村に出る大型の魔獣の討伐。
見事それを終えた一行は、夜更けになったことで一泊することになった。
村人が冒険者たちを歓迎する中、ゴーマンは秘かにトーカたち三人の飲み物に薬を盛った。
それをルルくんに気づかれて咎められた事に、激昂したのだ。
「アイツ……私たちだけじゃなくて、女将さんの悪口も言ってきて……それで、ルルはゴーマンに自首するように言ったんだ。なのに……あんなことになるなんて……!」
幸い、エリチカがすぐに治癒魔法を施してくれた為、外傷はすぐに治った。
しかし打ち所が悪かったのだろう。
ルルくんの意識は戻らなかった。
テレーシア家のルルくんの自室に彼を運んだ。
それから事情聴取を終えた『三つ葉』を見送り、ゴーマンの冒険者資格の永久剥奪の手続きを行ってから家に帰った。
「ただいま。ルルくんは?」
「……まだ眠っています」
「そう。ご飯食べる前に顔見てくるね」
私はルルくんの部屋を開けた。
ベッドの上で、彼は眠っていた。
体に傷はない。それでも今のルルくんの姿は痛々しかった。
ふと、出会ったばかりの彼を思い出す。
私が抱き上げられるほど軽く、小さかった彼を。
「早く良くなってね、ルルくん」
どうかまた彼と会話が出来ますように。
そう祈りをこめて言いながらルルくんの髪を撫でる。
まるで幼い子に、痛いの痛いの飛んでいけ、をするかのように。




