台風の目
【アルゴス校長】
まさかこの学校に来て古代魔法を使う者が見られるとは思っておらんだわ・・・
しかし、これからどう立ち回るのか楽しみじゃわ。古代魔法なぞ、今居る教員では分からんじゃろうからな。
ノックの音が聞こえてきた。ドアを開けると教員の一人が立っていた。
「校長いらっしゃいますか?」
「どうしたのじゃ?」
「お城からのお手紙です」
「おお、すまんな。しかし、最近よく来るのお・・・」
「先日も来ていましたね」
「また、あの子の事かな・・・どれどれ」
私は手紙を開けた。
「やはり、あの子関係か・・・つくづく嵐を呼んでくれる子じゃ」
「なんて書かれていたんですか?」
「ほっほっほ、王子がこの学校へ立ち入ることを許可してほしいという内容じゃよ」
「王子がですか!?入学というわけではありませんよね?」
「王子が魔法学校に入学するわけなかろう?名目は視察かなにかじゃろ・・・」
あの子が入学するというタイミングでのこの手紙・・・どう考えてもあの子が関係しておる。もう、王は動き始めておいでか・・・
「しかし、不思議ですね~これまで何も関与してこなかったのに急に来るなんて。それも今度来る子が関係しているのですか?」
「おそらくな・・・手紙をありがとうな」
「あ、いえ、それでは失礼いたします」
あまり教員に悟らせたくはないのじゃが・・・おそらく時間の問題じゃろ。
嵐程度で済ませてくれるとよいのだが・・・
【ニーナ】
「ふぅ~お風呂では酷い目にあったわ」
アンナは隣のベッドで寝っ転がって怒っていた。
「ニーナ様はもっと言い返してもよかったと思いますよ!」
私は少し呆れた顔をした。
「アンナ・・・これからあの人も一緒の学校へ行くのよ?そんな人と喧嘩なんかしてどうするの」
「あんな人と仲良くなんてしなくていいです!」
「でも、やっぱり校長の言う通りだったわね」
「え?なんか言ってましたっけ」
「手を刺されたことが噂になってるって話よ」
アンナは閃いたような顔をした。
「あ~その話!でも、刺した方が噂になってるって話じゃありませんでしたっけ」
「誰を刺したって言うのも噂にはなるわよ・・・」
田舎者っていう言葉の方が噂としては広がっていそうですけど。
「さあ、アンナ!明日はパン屋へ行くんでしょ?今日は寝ましょ」
「そうですね!おやすみなさいニーナ様~」
踏ん切りは付いたのかしらね・・・でも、私も明日から学校ですからアンナの事ばかり考えて居られないわね。




