あの校長・・・
学校から帰ってきたエリナの様子がおかしく見えたので私はエリナと話をする事にした。
「学校で何かあったの?」
「あの方が学校へ転校してきました」
「もしかしてあのアスナールの長男?」
「はい、私の近くにずっと居るのです」
私はエリナが心配そうな顔をしているのでもう少し踏み込んでみようと試みた。
「ねえ、エリナ・・・何をそんなに心配しているの?」
「実は・・・お友達が巻き込まれそうなんです」
「え?」
「私とグイド様の間に入ってくださるのですが、相手は貴族と言って脅しの様な言葉を掛けたり、平民と侮辱する様な事を言っているのです」
私達が介入していいのかしら・・・守ってあげたいけど
「分かったわ。一度エリックにも相談してみましょうか」
そう言うとエリナはさらに不安そうな顔になって私の後を付いてきた。エリックの部屋に付くと私はノックをして入って行った。
「エリック少しいいかしら?」
「いつもなら侍女に取り次をしてから来るのに珍しいね」
「ええ、エリナが学校で付きまとわれてるみたいなの」
「え?この前の子かい?」
「そうみたい・・・」
エリナは私の後ろから出てこなかった。
「分かった。少しお話しようか」
エリックは立ち上がると部屋の真ん中にある長椅子に座った。私は対面の椅子にエリナと座った。
「エリナ、どうしたいのか聞いてもいいかい?」
「私のお友達を守ってあげて欲しいのです」
「お友達を?」
経緯をエリナは話した。
「アテニアはどんな規則だったんだい?」
「私の時はそこまで酷い人は・・・居なかったわ」
私はふと最初の頃のタリアを思い出して目を背けた。
「君の事だ。虐められてたんだろ」
「可愛がりです」
私はエリックの言葉に食い気味で答えてエリックは笑顔で私の顔を見た。
「はい・・・少しやられてました」
「ふふふ、まあこの話は置いておこうか。でも、貴族が出張ってくることは昔からあるみたいだね?」
「平民とは言うことはあってもここまでの事は無かったわ」
「でも、少し気になるね。その友達?が酷い目に合うといけないから、手を打ちたいんだけど、僕達が出て行ってしまうとそれはそれで問題になりかねないんだ」
「ええ、逆恨みまでされる可能性があるわ」
エリナの顔はどんどん暗くなっていった。
「でも、アテニアの校長には話を通すことは出来るから、一度話してみるよ」
エリナは小さな声で「お願いいたします」とだけ話した。
その後はエリナを部屋に戻すと私はエリックと対策を考え始めた。
「実際に事が起きないと起きそうでは僕達も動けないからね。ニーナもそこは分かってくれてるね?」
「ええ、だから私はあなたに相談しに来たの」
「頼ってくれて嬉しいよ」
「どうにか出来ないかしら。あの子とあの子のお友達を助ける方法」
「校長に任せるしか出来ないと思うんだ」
「ナタリア先生大丈夫かしら・・・」
「一応リッシェは貴族の名前だからね。位はどうであれ校長という立場でもあるから強く言えるはずだよ」
「ナタリア先生よ?」
「それは・・・」
私とエリックは困り果てた顔でお互いの顔を見合わせた。




