お嬢様に・・・?
目の前に居た女の人は俺の考えを見透かしたように呟いた。
「その通りですよ。あなたをニーナさんにしたのは私です」
心を読まれた?たまたまかな・・・でもどういうことなんだろ・・・
「そうですね。説明いたします。結論から言えばたまたまだったのです」
「少し省きすぎじゃないですか?」
「安心してください。もう少し詳しく話しますので。私はここから外の世界をよく見ていました。餓鬼で死ぬ子供や暴力で殺される子供・・・騙されて殺される子供など色々と見てきました。私は手が届く範囲でもいいから助けたいと思いそこに居たのがニーナさんだったのです」
「ん?ニーナさんがなぜ選ばれるんだ?死にそうには思えなかったけど」
「いえ・・・近い未来殺される運命にあったのですよ・・・それも身近な人に」
「それは詳しくは?」
「言えません。ですがあなたが来て変わりました」
身近な人って誰の事なんだ・・・?詳しくも聞けないし・・・
「本当に偶然が重なった結果今があるのです。あなたが死に私はニーナさんを助けようとしてあなたの魂をそのまま利用しました」
「色々と整理がつかない・・・けど、私は勝手に使われたということかしら?」
「その通りです。申し訳ありません」
「これを知った以上私はどうすればいいの?戻ることもできないんですよね?」
「ええ、このままあなたはニーナさんとして生きてください」
私は混乱が続いていた。
「死んだ人間はそのまま消えるのが普通のはずなのに残って別の人間になっているなんて聞いたことありませんよ」
「確かに許されない事を私はしてしまいました。ですがニーナさんは救えました・・・あなたのおかげで」
「そもそもそんなことができるなんて聞いたこともない・・・やっぱり夢で都合のいい解釈を自分でしちゃってるのかもしれませんね。おやすみなさい」
「その方が確かによかったのかもしれません・・・ですが、ニーナさんの事は事実なのは変わりません。これは彼女の意志でもあるのですから」
「ニーナさんの?」
「ええ、彼女をここに呼び、話をしました。そして浄化を望みました」
一体その話がどこまで本当の事なのか・・・
「嘘は申しておりません。」
「読まないで」
「申し訳ありません。ですがこのまま生きてもらわないと困りますので・・・お願いです。ニーナさんとして生きてください」
「私はニーナさんの両親と約束しました。戻してあげると・・・どう伝えたらいいの・・・」
「それは・・・もう叶いませんのでおまかせします」
「大事なところまで人任せですか・・・」
「その通りです。申し訳ありません」
「で・・・ニーナさんは最後に何か言ってましたか?」
「最後は小さな声で”ごめんなさい”とだけ」
私はここでの事をどう伝えればいいのか分からなくなっていた。
ふと目が覚めた。私はいつもの部屋に包帯グルグル巻きになりながら寝ていた。




