将来の不安
私の研究は何日も続き形になり始めた頃、シエルも何とか魔法を大きくする事が出来ていた。
娘達はどんどん魔法を使えるようになっていき自分の好きな術式や詠唱の魔法を覚えていき、古代魔法の練習までこなしていた。
魔法兵達はその様子に驚き、自信を無くす兵士まで出ていたので何とか励まして維持していた。
この子達、本当に凄いわ。私より凄い魔法使いになるんじゃないかしら・・・
しかし、その様子を訓練所の近くで複雑そうな顔でエリックは見ていた。私はその視線に気づいて近づいた。
「エリックどうしたの?」
「え?僕変だった?」
「誤魔化さないで、あの子達の事でしょ」
エリックは笑い出した。
「流石だね。ニーナはよく見てくれているね」
「だって、貴方の妻ですから」
「もう自分が男だなんて言わないんだね」
「そっちの方がよかったかしら」
2人は仲良く笑った。
「やっぱりあの子達の魔法の力の事が気になるのね」
「ああ、エリナにエリス、2人の事が気になってね」
「エリスはこの国に居てくれるらしいわよ?」
「え?」
「分家を作るみたい」
「ぶんけ?」
この世界はそういうの無いのかしら
「この国に別の家を作るということよ」
「それは、王位継承がややこしくなるんじゃないか?」
「あくまでも別の家ですから・・・本家に跡継ぎが出来なかった時に声はかけてもいいかもしれませんが」
「なるほど・・・エリスがそんな事を考えていたんだね」
「あの子はそこまでは考えていませんよ。ただ、この国に残りたいとだけ思ってるようなので」
「ハハハ、僕は少し安心したよ」
「エリナは意志が強くって私では説得は出来ませんでしたので、もしかすると他国へ行ってしまうかもしれないわ」
エリックはどこか微笑んで遠くを見ていた。
「そうか、僕が居ない間にそこまで話してくれていたんだね」
私は視線を追うように同じ方向を見た。
「ええ、エリックの分まで愛してますから」
2人は肩を寄せ合うようにくっついた。
「初々しかった頃には戻れなくても」
「愛し合うことは出来るだね」
私達が雰囲気良くしていると後ろからアンナが咳払いをした。
「お部屋でそういうことはしてください!」
「アンナ~せっかくの雰囲気が台無しよ~」
エリックは少し照れたような顔をしていた。
「お嬢様方にも目の毒です!」
「・・・それは、そうかもしれないけど」
アンナはすっかりとベテラン侍女ね。
「さあ、今日は陛下もご一緒に魔法の練習をしましょう!」
アンナは私とエリックの手を取って子供達の元へと走って行った。




