夜の花火
セバスの墓に行った日の夜、私はクロフォード家の庭で術式を描いた紙を置いて人を集めた。
「夜はこの魔法が輝く時間よ!」
紙に手を置くと花火がいくつも上がった。それを見て子供達は喜びながらその術式をねだり、大人達はその様子を見て和んでいた。子供達は3人で術式に手を置くと沢山の花火が上がり、その日はクロフォード領でお祭りがあったと言われる程沢山花火が打ち上がった。
次の日、私は城に戻る準備をしていた。
「本当に行ってしまうの?」
母は心配そうに私を見てそう言った。
「ええ、私が守りますから」
「貴女なら大丈夫だと思うけど・・・」
「私はお母様の子供ですよ?」
「そうね、私の自慢の子ですものね」
私はまた振り返り準備を進めていった。
「そういえばこういう準備はよくアンナがしてたと思うのだけど・・・」
「アンナは子供達を見てくれていますよ」
「あの子も魔法好きがうつっちゃったのかもしれないわね」
「まあ、誰がうつしたんでしょう」
「誰でしょうね」
母は笑いながら私をそっと後ろから抱きしめた。
「貴女は今回も驚かしてくれたけど・・・いつまでも私は驚いてあげられないかもしれないわよ?」
「お母様?」
「私もエヴァンもいつまでも居てあげられないの」
「・・・私ももう子供じゃないんですよ?」
「そうね、寂しくないようにこれをあげるわ」
母はそう言うと身に着けていたネックレスを私に着けた。
「私も何か用意しておけばよかったですね」
「本当よ」
「今度、私からも寂しくならないように何かを送りますね」
「送るなんて言わないでここに来なさい」
私ははにかみながら返事をしていると、父がやってきた。
「ニーナ、もういいんだな」
「ええ、お騒がせしました」
「そうだな、お前が居るといつも騒がしくて退屈しない」
「まるで、私が騒いでいるかのような言い方ですね」
「違うのか?」
「もう、お父様ったら!」
私は頬を膨らませながら言うと父と母は笑い出し、私も釣られて笑った。
あの頃なら、セバスもここで笑ってくれたのかな・・・笑わないわね、普段通りの顔をして後でコッソリと笑うの
そんな事を思いながら準備を終わらせると、私はアンナ達を呼びにいった。
「アンナー!行くわよー!」
「はーい!エリナ様エリス様シエル様行きますよ~」
そしてみんな揃って兄の元へ行き挨拶を済ませると馬車に乗り込み王都へと向かった。
途中街に寄ってパンを買ったり色々買ったりしてゆっくりと時間をかけて移動した。その間はとても楽しそうに子供達はしていて、私は思わずこのままでも・・・と考えてしまっていた。
子供達と魔法の話や過去の話、学校の話など沢山の話をして行き、そして王都に着いた。




