反逆者ニーナ
それから私はしばらく拘留される事になった。娘達は心配してよく来ていたけど、シエルだけは来なかった。私は何か手が無いかと考えながら毎日を過ごしていた。アンナはエリックに抗議しに行っていたけど、聞いてもらえずに娘達の世話を言い渡され続けた。ユミナは既に結婚をしてしばらく離れていた。
そんなある時、エリナが私に慌てて伝えに来た。
「お母様!大変!シエルが痣だらけになって、元気も無いの!!」
私は思わず立ち上がり牢を叩いた。
「おやめください。もし何かあれば娘さん達も何されるか分かりませんよ」
私は手をこまねく事しかできないの・・・?
「ねえ、手紙のやり取りはいいの?」
「それは・・・構いません」
「エリックの許しはいらないのね」
「私は見ておりませんので」
見張りの兵士はそう言って背を向けたまま立っていた。エリナにアンナ宛の手紙を託すと私は諦めた顔をしながら牢の中で座っていた。
その夜、私はアンナに連れられた子供3人を見て安堵して、魔力を纏い牢を力で開けた。兵士は驚きはしたが、見ないふりをしてくれていた。私達は急いで馬車がある所に行ってアンナに御者をしてもらい、クロフォード領へと走らせた。
「私があなた達を守るから・・・少し生活は苦しくなるけど、我慢してね」
エリナは頷いたが、エリスは少し複雑そうな顔をしてシエルは顔が死んだままだった。
こんなに責められたのね。シエル・・・ごめんね。
私は実家であるクロフォード家に着くと急いで兄と父の元へと移動した。
父は白髪だけになりすっかりと歳をとっていた。兄は大人になったが母の優しい顔が面影として残っていた。
「お父様!お兄様!申し訳ありません!!私と逃げてください!!」
「急にどうしたんだ?」
「私は子供達を守るために逃げてきました」
「誰から守るというのだね!お城に居れば安全だろ」
お城であったことを伝えると父は少し考え、兄はすぐに逃げるようにと伝え始めた。
「ニーナよ、私は王の考えも分かってしまうのだ」
「お父様・・・」
「だが、私はニーナの味方になると自分に誓った身だ。共に逃げよう」
「申し訳ありません」
私は深々と頭を下げた。そして使用人を含め全員が逃げられるようになった時、エリックは兵を連れて家の前まで来ていた。
「反逆者ニーナを大人しく渡せ!そうすれば家だけは罪を不問とする!」
エリックは大声でそう言った。




