夫婦のすれ違い
一通り話を聞いてタリアはレオを連れて帰っていった。
相変わらず、強いわね・・・タリア様は
私はそれからエリックを信じて居続けようと思った。そして数年が経つとエリナはエリスと一緒にお城を散歩するようになってアンナやユミナと一緒に遊ぶようにもなった。私はその様子を微笑ましく思えていた。
そして、また私の体調が変わっていった。娘達は心配しながらも私にお話をせがんだりしていた。そして日が進むとお腹が大きくなり娘達は興味を持って耳を当てたりしていた。
「ママ?子供が生まれてくるの?」
「いつ生まれるの?」
「もうすぐよ」
そんな簡単な言葉のやり取りをしながら過ごしていき3人目が生まれた。エリックが待ち望んでいた男の子だった。エリスの時より喜びが大きく見えて、私は少し複雑な気持ちになりながら息子を抱いた。
「小さいね」
「あなた達もそうだったのよ?」
「え~私も?」
「そうよ」
そしてその子の名前は、エリックによってシエルと名付けられた。
もしかしたら、前から考えてたのかもね。
そして娘達に見守られながらシエルも育っていった。
その間にもアルカニアが視察に来たり、母が子供達を愛でに来たり、タリアに小言を言われたりと目まぐるしく時間は過ぎていった。
そんな私が31歳の時、エリナは10歳になった時くらいにある問題が起きた。
シエルは泣きながらお城の廊下を歩いていた。
「シエル!?どうしたの!」
「ママ・・・パパが叩いたの」
「パパが?」
私はエリックの元へと急いで移動した。その間シエルはアンナが面倒を見ていた。
「エリック!どうしてシエルを叩いたりしたの!」
「ニーナ、これは必要な事なんだ」
「何が必要よ」
「王になるための勉強を怠った。その罰だよ」
昔のエリックとは違い少し冷徹な顔をしていた。
「どうしてそんなものが必要なの」
「王になる者は乗り越えなければならないんだ。これからは剣術も習わせていくつもりだ」
「止めて!まだ早いわ。怪我したらどうするの!」
「これも王として必要な事なんだ」
王になるのにそんな事が本当に必要なの?
「今のうちにしっかりと勉強して知識を蓄えないと、僕の様に愚かな選択をしてしまうかもしれないからね」
「愚かな選択?」
「僕は今でも思っているんだ。あの時僕が選択を誤ったから皆死んでしまった。父も君の魔法兵も騎士も兵士もだ。これ以上そんな悲劇を起こしてはいけないんだ」
「こんなに早くから教えなくてもいいじゃない!」
「いや、必要なんだ・・・いくら君が反対しても、これは必要な事なんだ」
「私は反対です」
「そうか、じゃあどうするつもり?」
「貴方だけに預ける事はしません」
「それは困ったな。兵士よ・・・ニーナを捕らえよ」
私は部屋に入ってきた兵士に捕らえられた。
「もし抵抗すれば娘達共々罰を受けてもらう」
「エリック!なんでこんな事をやめて!」
兵士達はやるせない顔を見せながら私を牢屋に連れて行った。




