タリアの子 レオ
私は2人の娘と一緒に過ごしていると、お城の中で嫌な噂が流れているのが聞こえてきた。
「なあ、陛下は2人目の奥さんを探しているって本当か?」
「いや、デマだとは思いたいが・・・状況が状況だからな」
「だよな~。せめてニーナ様に男の子が授かっていればな」
「こればかりは」
聞こえてきたのは兵士達の話し声だったが、他にもお城の中を歩いているとそのような噂は聞こえてくるようになり。私は少し憂鬱になりながらも2人の娘を見ていた。アンナはそんな噂を気にすることなく娘達の様子を見てくれていた。ユミナは、いつも通りの様子で私達の世話をしてくれていた。エリックは・・・エリナの時程見に来てくれる事は無かった。
噂は本当なのかもしれないわね・・・もしかすると、私は用なしの第1婦人として扱われるようになるのかしらね
そんな不穏な考えをよそにエリックはまた社交界へと繰り出していった。そしてそのたびに噂がどんどん大きく私の元へと流れてくるようになり、不安感に押しつぶされそうになっていた。
相談相手も居ないと考えた私は追い詰められていき、気づけばエリックに縋るようになっていた。そんな私をエリックは慰め、窘めてくれていた。
エリスも立ち上がることが出来るようになった頃、タリアに手紙を出した。すると、届いたであろう日の次の日にはお城を訪ねてきた。
「ニーナ!ニーナはどこよ!」
タリアはまた兵士と言い合いを始めていた。
「ニーナに会いに来たのよ!呼びなさい!」
「いきなりなんですか!王妃様をそのような呼び方で!」
「王妃?知らないわよ。私の友達に会いに来ただけなんだから通しなさいよ!」
その言い合いをしている間に別の兵士が私の元へ来て、この事を言い出した。
「王妃様、ただいま髪の長い女性がやってきてまして。高圧的な態度で王妃様を出せと仰るのですがどういたしましょうか」
「・・・タリア様ですね」
私は迎えに行くと子供も泣いて兵士も一歩も引かないそんな地獄絵図のような状態だった。
「やっと来たわね!話の通じない兵士を何とかしなさい」
「タリア様・・・手紙を見せればよかったんじゃありませんか?」
タリアはポカーンとした後兵士と見合わせ、すぐにこちらに向きなおした。
「・・・いいから早く中に入れなさい!」
タリア様・・・賢いはずなんだけど変なとこ抜けてるわね
「今変な事思わなかった?」
「い!いえ!」
鋭いし・・・
そして部屋に着くとタリアは泣いていた子供をあやしながら話し始めた。
「なぜかしら、とても辛気臭い感じがするわね」
「え、そうですか?」
「また変な言葉でもかけられたの?」
「そんなことは・・・」
「まあ、貴女は昔から敵を作るのは上手かったわね」
いや、私はそんなつもりは無いんだけど・・・
「そ、そういえばその子は男の子ですか?」
「ええ、レオよ」
「レオ君こんにちは~」
レオは私の指を握った。タリアはその様子を見た後私の子供の方に目を向けた。
「貴女は2人も生んだの?」
「ええ、エリナとエリスよ」
「双子?」
「年子です」
「貴女にしては頑張ったじゃない」
「た、タリア様が褒めた!?」
「氷漬けがお好みかしら」
「に、睨まないで・・・冗談だから」
それから3人の子供達はアンナとユミナに寝かしつけられ、私とタリアは話を続けた。




