エリナ
それからは、アンナやユミナ、テリサまでも娘の世話をしてくれていた。
「そういえば奥様、お名前の方はもう決められたのですか?」
「まだよ、エリックと相談しないとね」
そう言いながらテリサは娘をあやしていた。ユミナはそっと部屋の外へと出て行った。しばらくするとエリックがやってきた。そして皆部屋の外へと移動した。
「僕を呼んだかい?」
「ええ、あの子の名前どうしようか相談したくて」
「そうだね、決めないといけないね」
「私は、2人の名前を入れてエリナにしようと思うの、私の姉みたいな名前ですけど」
「良い名前だと思うよ。僕は思いつかないし君の選んだ名前にしようか」
(本当は考えていたんだけどね・・・)
「ねえ、私・・・生きてるのよね」
「どうしたんだい?」
「私の中身は尊よ?男で耐えられるとは思って無かったの」
「夢なんかじゃない、現実で君は生きてる」
エリックは手を握って優しく微笑んだ。私のその顔に安堵した。
「産めてよかった。ニーナさんの体だけど」
「生きて産んでくれてありがとう」
その後、私はそっと目を閉じた。エリックは「おやすみ」と一言言って部屋を出た。部屋の外で色んな人に見てもらいながらエリナは手を伸ばしていた。エリックは思わず近づき抱っこして名前を呼んだ。
「エリナ、君も元気に育つんだよ・・・でも、やんちゃは程々にね」
エリナはジーっとでエリックの顔を見て触っていた。
私は気が付くとまた白い空間に居た。
「私の体で遂に子供まで作ったわね」
小さなニーナは腕を組んで立っていた。
「ごめんなさい・・・勝手なことをしたわね」
「お前は・・・いえ、気にしなくていいわ。精々、戦争の事は引きずらない事ね」
「ええ、そうするわ」
「本当に分かってるのかしら・・・」
私は微笑みながらニーナに近づいた。
「貴女こそ本当にいいの?」
「なにがよ」
「私と変わらなくて」
「今更おじさんが触りまくった体に戻りたいとは思わないわよ。夜な夜な・・・」
「それ以上言わないで・・・私が悪かったわ」
「それに私はお前が作り出した幻だから」
寂しそうにニーナは後ろを向いてそう言った。
「ねえ、本当に・・・」
「うるさいわね!早く戻りなさい!!」
私はそういうとエリナの泣き声に引き戻されていった。薄っすらと最後にニーナの言葉が聞こえた。
「私が幻だとしても幸せを見せてくれてありがとう。尊」
私は目が覚めるとすぐにエリナを呼び抱っこしてお乳を上げた。




