もう居ない
しばらく日が過ぎ、少しずつだが私は兵舎に近づけるようになっていた。
「ニーナ様~無理しなくてもいいんじゃありませんか?」
「いつまでもこのままじゃいけないわよ」
「でも~・・・」
訓練場の方に行って挨拶をするだけでも動悸がしてふらつく場面もあったがそれでも私は魔法兵の元へと近づいて行った。
アンナには心配かけちゃうけど・・・このままで居る訳にはいかないの
研究室へも向かいドアの前に立つと手が震えて開けるのを躊躇してしまっていた。
もうあの頃の皆は居ないのよね・・・
研究室へ入ると一斉に兵達が此方を向いて驚いた表情を見せ挨拶をしてきた。
「そのまま研究を続けてくださいね」
私のその言葉に皆は返事をするとまた研究に戻った。ただ、ナグアだけは心配そうに私の方に来た。
「大丈夫なんですか?」
「え、ええ・・・問題ないわ」
「あの・・・お顔の色がすぐれない様子ですよ」
「そ、そうかしら~」
私は何とか誤魔化そうとと笑顔で言うとナグアはアンナ達を見た。それを見たアンナ達は横に首を振っていた。
「ナグア、魔法兵の方はどう?」
「今はダン君が頑張ってくれていますよ」
「ダンが?」
「私の代わりに隊長が務まるくらいには頑張ってます」
「凄いじゃない」
私の驚いて喜んだ姿を見て、ナグアは少し安堵した。
「課題の方は前と一緒?」
「そうですね。ただ、私達の時ですら3つ目の課題は誰も出来ませんでしたから、うまく説明できたかどうか」
「大丈夫よ。ナグアだもの」
「・・・はあ」
煮え切らない返事をナグアはすると私は周りを見渡した。
あそこはヤボヒがブツブツ言って研究してた所ね・・・あそこはリアが居たわね・・・ラギシンはよくこの辺に居たっけ
思い出しながら私はそこを眺めていった。
「ニーナ様、本当に・・・」
「大丈夫と言いたいけど完全に大丈夫とは言えないわね」
微笑みながらナグアを見た。
「いつまでも逃げられないから」
その表情をみたナグアとアンナ達は驚いていた。
「でも、ここまでかな~」
私は震える手をナグアに見せた。
「ニーナ様!」
「いいの、私の所為でもあるのだから・・・」
「早くお部屋にお戻りください!」
アンナ達も急いで駆け寄って私の傍にピッタリくっ付いた。
「また来るわね」
「・・・お待ちしてますね」
私はふらふらと自分の力で歩いて行った。その姿をみてナグアは色んな思いを募らせていた。
(ニーナ様は私達の代わりにツラバスと戦ってくれていたのに何も出来ないどころか、私はあの方を責めてしまった・・・何か力になれる事があればいいんだけど)
自室に着いた私は震えも収まり落ち着きを取り戻した。すると1通の手紙が届いた。




