兵士散る
次の日も彼はやってきた。私はアンナを残してエリックの元へと移動した。
「それで・・・僕の所にかい?」
「ええ、アンナもその気になってくれるといいんだけど・・・」
「そうだね、でもいいのかい?アンナさんがどこかに行ってしまうかもしれないのに」
「アンナが幸せになるのならそれでも構わないわ」
エリックはボソッと一言呟いた。
「・・・どっちが幸せなんだろうね」
「え?」
聞き逃した私は首を傾げて聞き直すもエリックは答えなかった。
その後、私は自室に戻ると落ち込んだディダックとすれ違った。私は声を掛けようと思ったが堪えて自室に戻った。すると、いつも通りのアンナが待っていた。
「アンナ?今日はディダックさんとどんなお話をしたの?」
「えっとですね~昨日の返事を~って言われたのでごめんなさいって言いました!」
「こ、断ったの?」
「ん~覚えてなくて適当に返事しちゃうといけないかな~って思っちゃって」
私は変な汗をかきながら苦笑いをしていた。
「きっと恋のお誘いよ?」
「魚ですか?」
「この世界に居るの!?じゃなくて・・・恋愛よ!れ・ん・あ・い」
「ん~やっぱり私には分かりません!ニーナ様と居たいですから」
なんとなくだけどアンナは恋愛なんかしたいと思っていないわね。ずっとこのままがいいと考えていそう
「ニーナ様?」
「アンナは結婚はしたくないの?」
「少し憧れてた時期もありましたけど、私はもう離れたくない人を見つけましたから」
アンナは手を後ろで組みながら笑顔でそう言って私の傍に来たので私は「・・・そう」と呟いて頭をくっつけた。
「じゃあ後は・・・」
ユミナの方を私は見た。
「あの子の恋路気にならない?アンナ」
「ニーナ様ノリノリですね~」
「だって、あの子もかわいい顔してるのよ?」
「肌も綺麗ですもんね!」
私達はニヤニヤしながらユミナを見ているとユミナは冷や汗をかきながら咳払いをして目を瞑った。
「ユ~ミ~ナ~そんな顔してないでお話ししましょう~」
「・・・遠慮させてください」
「そんなこと言わないでよ~」
「私にはそんな面白いお話はございませんので」
「本当に~?」
「はい」
「ユミナも堅物ね~結婚相手も付き合ってる人も居ないの?」
「・・・今はいません」
「今は?」
「もうよろしいでしょうか」
ユミナは少し顔を赤らめながら私達から距離をとった。
「あまり絡むのも良くないわね」
「今日のニーナ様少し元気すぎませんか?」
「そう?いつも通りだと思うのだけど・・・」
もしかしたら、飲まれるのが嫌だから逃げてるのかもしれないわね・・・あの憎悪達から
私の目には窓にびっしりとあの憎悪に満ちた顔が沢山浮かび上がっていた。




