兵士の恋路
しばらくみんなで話をした後、タリアは帰り、ナグアとエリックも戻って行った。
相変わらず自室ではアンナが待ち遠しいのか私のお腹を摩ってきた。
「アンナ、まだ居ないわよ」
「早く出来ないかな~」
アンナの様子に私は呆れながら頭を撫でた。
「そうね・・・私もいずれは出来るかもしれないのね」
「かもじゃありません!出来ます!」
「中身は尊なのよ?」
「体はニーナ様です!」
「貴女も早く結婚相手を探しなさい!」
「私はいいんです!ニーナ様と居たいから!」
そしてしばらく日が進んだ。
私は色んな意味で悩んでいた。私の前で1人の兵士が頭を下げて片膝をついていて、一向に顔を上げようとしなかった。
「え~っとどうしました?」
私の声でピクリと動き声を震わせながら話し始めた。
「わ、私はディダックと言います。あ・・・あ・・・」
私は首を傾げながらそっと肩を触ろうとした瞬間兵士は体を起こした。その勢いで私もビックリして少し距離を取った。
「あ、貴女の侍女とお付き合いさせていただけませんか!」
それは私に許可が必要なのかしら・・・
「ええっと私には侍女が2人居ますがどちらの方を?」
「あ・・・」
「アンナですか?」
兵士は顔を伏せると小さく「はい」と答えた。
「アンナ~呼ばれてますよ」
「ほえ?誰ですか?」
「貴女にお話があるそうですよ」
「私にですか?恋のお話なら間に合ってますよ?」
アンナ・・・無意識だとは思うけど兵士に刺さってるわよその言葉・・・
その兵士は凄い落ち込みようだったので私は慌ててアンナと話をさせる事にした。
「いい?ちゃんと話を聞いてあげてね」
アンナはあんまり意味を理解していないようで首を傾げていた。
「ユミナ、一番きつい躾の方法を教えて頂戴」
「はい、ニーナ様それは・・・」
アンナは焦りだした。
「わ、分かりました!!ディダックさんのお話聞かせてください!!」
私は自室を貸してしばらく外で待っていることにした。
その後、話が弾んだのかは分からないがディダックは満足した様子で出て行った。私はそっと部屋を覗くと何の変化もないアンナが座っていた。
「あ、アンナ?」
「なんですか?」
「ディダックさんとはどうだったの?」
「あの方、凄く頑張っているみたいですよ」
「え?何の話をしたの?」
私が驚いた表情で聞くとアンナは人差し指を頬に付けて話し始めた。
「え~っと日頃何してるとかのお話ですね」
私はユミナと顔を見合わせた。
「その後は趣味のお話とかですね~」
「趣味?」
「私、特に趣味は無かったんですけどディダックさんも訓練一筋らしくって」
アンナ・・・彼の気持ちに気づかなかったのね・・・きっと
「アンナ・・・彼満足して出て行った様子を見ると告白に近い何かを言っていたんじゃないかしら」
アンナはさらに首を傾げて思い出そうとしている様子だった。




