問題はあったけど問題なし
その後社交界は何事も無かったかのように終わった。
入口が混雑していたため私達は少し後で出ることにした。
「お手の方は大丈夫ですか?」
「ええ、しばらくすれば痛みも血も止まりますわ。心配していただきありがとうございます」
少しして入口が落ち着き始めると私達も移動を始めた。
「ちょっといいかい?」
声が掛かった。振り返ると王子がそこに居た。
「こんなことになってしまって、配慮が足りなかった。申し訳ない」
「とんでもございません。大丈夫ですので」
「もう少し配慮をできていればクロフォードさんにケガを負わせずに済んだのに・・・」
「これぐらい問題ありませんので・・・なんでわたくしの名前を?」
「挨拶周りをしている時、結構近くに居たんですよ。せめて今日はこの城で休んでいってください」
「せっかくのお言葉ですが父も心配しますのでわたくしはこれで失礼いたしますわ」
「そうか・・・気を付けて帰ってくれよ。来てくれてありがとう」
私達二人はそういって外へと向かった。
前から威厳のある男の人が歩いてきた。
「おやどうしたのかね。その手は」
私は冷や汗をかきながら、相手を見て笑顔で答えた。
「いえ・・・少しケガをしてしまいました。せっかくの場を汚してしまい申し訳ございません」
「そうか・・・何があったのかね?」
「少しいざこざがありまして・・・問題はありませんのでわたくしはこれで失礼いたします」
そういって私はシェリーを連れて急いで外へと歩いて行った。
外に出るとアンナとシェリーの従者が待っていた。
「ニーナ様!どうしたんですか?その手」
「タハハ・・・ケガしちゃったわ」
「もうなにやってるんですか・・・もう」
「大丈夫よこれくらい」
「いけません!腐ったらどうするんですか!」
「そんな腐るだなんて大袈裟よ」
そんな問答をシェリー達は笑いながらみていた。
「それではわたくしたちは行きますのでまた機会がありましたらお会いしましょう」
「はい、ニーナ様今日はありがとうございました」
私達は馬車に乗り出発した。夜も深かったが早く戻らなければいけなかったためすぐに王都をでた。
「せっかく来たんですからもっと見たかったです~」
「仕方ないわアンナ、私たちは観光しに来たわけじゃありませんもの」
「そうですけど・・・」
残念そうにぶつくさアンナは言っていた。
私は終わったと安堵して一気に力が抜けて行った。
「で・・・どうでした社交界は!」
「とても疲れたは・・・もうしばらく笑顔は作りたくないわ・・・」
「でも、どうしてケガをしちゃったんです?」
ケガをした経緯や社交界での雰囲気を私は話した。
「そんな・・・ニーナ様悪くないのに・・・」
アンナは悲しそうな顔をして私の顔を見た。




