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ボロボロの区画の意味

私は再び賑わいを見せていた通りに戻ってきた。


あのまま私があの子供に何かを与えてもきっと別の誰かに奪われる。そんな所だったのよね・・・


「ねえ、アンナ。あのまま私があの子にパンを与えていたらどうなってたと思う?」


アンナは暗い顔をした。


「色んな人に集られるますね。そして色んな物を持っていかれますね」


「・・・そう」


アンナは自分達の事を心配してたのね。


その後私達はエリックのお土産を選びながら、もう少しだけ城下を堪能した。


流石にあの通りに入ったとエリックに言ったら怒られるわね。


「ニーナ様~このパンやっぱり美味しいです~」


「アンナ!?もう食べてるの?」


「だって~お腹空いたから~」


「もう・・・ユミナも選んで食べましょ」


「いえ、私は・・・」


「どれがいい?この丸いのとか!」


「では、それを頂きます」


私はその後御者にもパンを渡して最後に学校のある通りを通って城に戻っていった。


城に着くと私はエリックの元へお土産を私に来ていた。


「王都の観光はどうだった?」


「ええ、懐かしのパン屋にも行けましたし。楽しかったです」


「それは良かった。でも、何かあった?」


「え?」


「ほら、アンナさんが複雑そうに眉間に皺を寄せてこっちを見ているもんだから」


珍しいわね・・・アンナのあんな顔初めて見たわ。


「ど、どうしたの?」


「エリック殿下!ニーナ様を叱ってください!」


「ぼ、僕がかい?」


「ニーナ様王都の端の方へ行って馬車を降りたんですよ!!」


「端?」


エリックは少し考えるとすぐに気が付いた。


「まさか!あの通りに降りたのかい!?」


「そうです!私達が止めなかったらそのまま歩き回ってましたよ!」


大きなため息と共に頭を悩ませるように私の方を見た。


「ニーナ・・・あそこは近づかないでくれ・・・次近づいたら城から出さないよ」


「ですが、なぜあのような状態で放っておくのですか!」


「そうだね・・・あそこが無いと困るのは城下の人なんだよ」


貧乏になった人をあそこに集めるということかしら・・・だとすればあんまりいい方法だとは思わないのだけど・・・


「必ずしも仕事に就けて真っ当に生きられる人ばかりじゃないのは分かるよね」


尊の時はよく就職で苦労した。入っては失敗を繰り返して怒られて、クビになったり、精神的に病んで辞めちゃったり・・・


「そういった人達にも住む場所が必要になる。だから、あえてボロボロの場所を用意して安く住めるようにしているんだ。まあ、元々はあそこもちゃんとした場所だったみたいだけどね」


「生活が苦しい人の受け入れ場所って事になるのかしら・・・」


「そうだね。治安が悪いのはお金が理由かな。たまに兵士や冒険家に見回ってもらってはいるんだけどね」


「冒険家も?」


「変な集団とかが集まる時もあるからね。兵士が寄っていくとすぐ隠れてしまうから、冒険家達に手伝ってもらうようにしているんだ」


「そんな危ない所なのに・・・国民をそのまま置いておくなんて・・・子供も居たんですよ?」


「借金を作ってまで、綺麗で家賃の高い家に住まわせるのと、あの辺りで安く住むのとどっちがいいと思う?」


「それは・・・」


「難しいよね。国から追い出すわけにもいかないし。別の領に行くにも馬車代やそこで暮らすお金が無かったりするよね。だから、あの区画があるんだよ」


こんな平和な国でもこんな場所が出来てしまうなんて・・・何も出来ないのがもどかしいわね

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