ナグア
次の日、私はまたナグアの元へと来ていた。
「何?処遇でも決まったの?」
ナグアは座りながら私を睨みながらそう言いだした。
「そうね~また隊長でもしてもらおうかしら」
「ふざけんな!やるわけないでしょ!」
「でも、貴女が丁度良いと思うの」
「何が丁度いいだ!また私達を捨て駒の様に扱うつもりでしょ!!都合のいいように!!」
「・・・そう思われてもしょうがないわよね」
「分かったならもう放っておいてよ・・・処刑でも追放でもしてくれればいいから」
ナグアは顔を伏せた。
「まだ、貴女は生かされたのよ?」
「それが何よ・・・」
「まだ・・・分からないのね」
私は格子のドアを開け中に入った。
「こ、来ないで!!」
ナグアは隅の方に移動した。
「怯えて縮こまって、まだ生きたいと思ってるんじゃないの?」
「・・・違うわ、貴女に手を出さないように距離を取ったのよ」
「そう・・・」
私はそのまま歩いていきナグアに手が届く距離まで近づいた。
「ナグア・・・お風呂に入った方がいいわよ」
「う、うるさいわね!!独房にそんなものあるわけないでしょ!!」
「ナグア、ご飯食べた方がいいわよ」
「食べてるわよ!!たまに抜いてるけど・・・」
「ナグア・・・」
「うるさいわね!!何がしたいのよ!!」
ナグアは立ち上がって私の顔を見た。そしてすぐに目を背けた。
「どうして・・・どうしてそんな顔をしているのよ・・・」
「私の顔変かしら」
「まるで死んだ人の目をしているわ」
「私ね・・・あれから1人じゃ何も出来なくなっちゃったの」
「ただ甘えてるだけじゃない」
「そうね・・・1人で寝れば悪夢にうなされ、食事は人の手に見えたりするわ。お風呂からは沢山の手が生えてきてるし、窓には怨嗟のこもった顔が映る」
ナグアは信じれない様子だった。
「私は人を殺しすぎたのよ・・・今は魔法兵の元にも行けないの」
「そ、それがどうしたのよ!」
「だから、貴女にまた行ってもらいたいの」
「なんで私なのよ!」
「きっと色んな魔法兵達に託されてると思ったからよ」
「なんで私なんかに託すのよ・・・もうみんなの所に行かせてよ・・・」
「ナグア・・・貴女だから託せるの」
「これ以上私に何をさせようと言うの!!」
「勿論私の代わりに魔法兵をまとめ上げて欲しいの」
「こんな状態で・・・こんな姿で誰が言うこと聞くのよ」
ナグアは両手を広げボロボロの姿を見せつけた。
「大丈夫よ・・・貴女は強いもの」
「私が強い?何も知らないくせに・・・」
「戦争が起きる前に不安になっていたわね・・・それでも前に立って戦ってくれたわ」
「・・・その結果がみんな死んだわ」
「それは、私が悪いの・・・貴女じゃないわ」
「どうして・・・どうして、ニーナ様は私達の元へ来てくれなかったのよ・・・」
「ごめんなさい。私はあの時、気を失っていたわ。それを見てエリックが私をこれ以上戦争に関わらせないようにしたのよ」
「それで、進軍を早めたと・・・」
「ええ」
「じゃあ、貴女が私達を捨て駒にしたんじゃなくて国が捨て駒にしたって事なの?」
「きっと勝てる見込みがあったの・・・ヘレテ帝国の横やりが無かったら」
「王子の読みが浅かっただけじゃない!」
「そうね、だから私はあなた達に謝らないといけないし、責められても何も言えない」
「ニーナ様が・・・謝ったって戻っては来ないのですよ?」
ナグアは弱弱しく言って泣き出した。




