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私の中に

「いつまでそうしているのかしら?」


子供の声がどの声よりも大きく聞こえてきた。


「お前は人の体でいつまでそうしているのかしら?ねえ、聞こえてるの!」


「・・・私は」


「男のくせに弱弱しい事!」


私は丸まっていた体を起こし正面を向いた。そこには小さなニーナが立っていた。


「こんなのが私に憑りつくなんてね」


「私は貴女を探したのよ!!」


「聞いたでしょ!私はもう居ないの!!」


「じゃあ貴女は誰なのよ・・・」


「そんなの知らないわよ。自分で考えなさい」


小さなニーナは振り返り歩き出した。


「待って!!戻って!!」


「誰に物を言っているの?どこの人間か知らないけど」


「貴女の体なのよ?」


「その他人の体でお前は人を殺したんだ。今更返すなんて虫がいいとは思わないの?」


「それは・・・」


小さなニーナはこちらに戻ってきた。


「お前・・・好き勝手して今更逃げようなんて考えてないわよね?」


「・・・でも!」


「汚した体きっちり責任取ってもらうわよ」


「じゃあ、どうして出てきてくれたの?」


「出てきた?作ったの間違いでしょ?」


私は動揺した顔をして座り込んだ。そこにニーナは目の前に立った。


「作った?」


「お前は知ってるでしょ。私が浄化を受け入れたことを」


「あの神様みたいな人が言った言葉よね」


「流石にそこまで馬鹿じゃないわね。いい加減人の体で弄ぶのは止めてもらえるかしら?」


「弄んでなんか!」


「お前は好きなことをして好きなように生きた。その結果が今よ。今更逃げたいなんて言わせないわ」


私は声を張り上げて言葉を返した。


「私だって!!私だって・・・貴女に体を返そうと必死だったのよ!」


小さなニーナは悠々と答えた。


「その割には魔法にご執心だったじゃないの?」


「貴女の体を!貴女に戻すために調べたのよ!!」


「詭弁ね。お前はただこの世界の魔法という力に魅せられた。ただそれだけの男よ」


「そんな事は無い!!俺は今だって君を探していたんだ!!」


「ようやく戻ってきたわね。でも、古代魔法は想像の魔法よね。簡単に想像は出来たんじゃなくて?」


「ああ、不安だったけど人格を入れ替えることは出来そうだったよ。でもな、君が居なくちゃ意味がないんだ」


俺はニーナを見ながら立ち上がり、両手を広げた。


「戻ってきてくれないか?」


ニーナは微笑んで俺の頬を叩いた。


「ふざけんな。お前は一生その罪を背負って私の体で生きるのよ!!逃げるなんて甘え許さないわ」


「甘えでもなんでもいい!・・・戻ってきてくれ」


私はそう懇願するとニーナは仁王立ちした。


「お断りよ。お前は私、私はこのまま消えるの!」


「消えないでくれ!!」


「なぜ、お前の言う通りにしなくちゃいけないのよ」


「この体は!」


「うるさい!今更なのよ・・・だから、お前は私として生きなさい」


私の目の前は真っ白になっていき最後に映ったのは小さいニーナの姿だった。

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