ヘレテの首都
トンネルが開通した日は近くにあった村にお世話になることになった。
木を軽く加工して運びやすくして手伝いをしながらその日は過ごして、次の日は村の人に惜しまれながら出発した。
ヘレテへの道を教わったのでその通りに向かうと帝国の領土へと入って行った。入る時には検問が行われていたが、あの招待状のような物を見せると兵は道を示した。私達はその通りに進み、道の途中である村や町に泊りながら進んでいきヘレテ帝国の首都に到着した。
首都入り口でも身分証明を迫られるが、あの招待状のような物を見せると兵に案内され、とある建物へと移動した。
流石帝国ね。テラゴニアより建物の一つ一つが大きいわ。それにお城もよく見える。
「日にちは少し早いがここで休ませてもらうといい」
「ここは?」
「何も知らんのだな。お前達が目指していた屋敷だ」
「誰のお屋敷なのですか?」
「知らん!魔法関連は私達には関係ないからな」
「分かりました。ありがとうございます」
最後に兵士は私達を睨むように一瞥して戻って行った。
私は辺りを見渡すと至って普通の屋敷に見えた。そしてナタリアが門に触るとタイミングよく奥から使用人のような人が出てきた。
「本日はどのようなご用件でしょうか?」
「え~っと、ここ?に呼ばれてきたんですけど~」
ナタリアはタジタジになって私の方を見てきたので、私は招待状のような物を見せた。
「本日はまだ集まっておりませんので、どうぞこちらでお休みください」
アンナと御者も入ることを許されると中へと入って行った。屋敷の中も至って普通で変わった所がなかった。ただ1室を除いて。
私達は部屋に案内され腕輪も渡された。
「この腕輪は?」
「この腕輪を着けていただき会合に出席していただきます」
私は腕輪を調べてみると術式が彫り込まれているように見えた。
「この術式は?」
「魔法には疎いので申し訳ございませんがお答えいたしかねます」
横を見ると何の疑いもなくナタリアは着けていた。
「着けたら取れないとか無いわよね」
「お帰りになる際はこちらでお外し致しますのでご安心ください」
「自分では外せないの?」
「力が強ければ外せますが、これを使った方が楽に取れるかと思います」
使用人は小さい鍵のような物を私に見せた。私は意を決して腕輪を着けた。
「では、何かありましたらお呼びください。お食事の時間になりましたらお呼びいたしますので」
私は部屋で腕輪の事を調べ始めた。
触っているのに術式が反応していないのは不思議な所ね・・・魔力を込めたら・・・下手な事して屋敷を壊しちゃ駄目よね・・・でも、鍵が必要な所を見ると何かあるのは確かよね・・・
おもむろに私は腕輪を引っ張ってみた。
ビクともしない・・・本当に力で開くのかしら。鍵が必要、魔法使いとして呼ばれた。もしかして!
私は魔法を使ってみると魔法は不発に終わった。
この腕輪、どういう原理か分からないけど魔法を使えなくしているわ!最悪アンナは着けていないし何かあったらアンナに・・・
ふとアンナに目を向けるとアンナはすでに熟睡していた。




