おかえり
半分起きた私に母は抱き着いた。
「ニーナ!!」
未だに反応は無く目も光を失ったままだったが倒れることなく座っていた。
その場にいた全員が涙を流し少し安心した表情を浮かべた。しかし、私はまだ夢の中だった。
いつまでここは続くのかしら・・・エリックやアンナが待ってるかもしれないのに
私は少しずつ足早になってきていた。ずっと話しかけてきた声は薄れていった。
許されないことをしたのは分かってる・・・でも、だからって私が死ぬのも間違っている!
少し光が見えたような気がした。それは懐かしい感じがしていた。
部屋ではエリックが部屋に走りこんできていた。
「遅くなった!!」
無言で立ち上がった母を父は急いで止めた。
「待て待て待て待て、何をするつもりだ!」
「止めないであなた、私は我慢できないの」
エリックは無理をしたような笑顔を見せた。
「さっきもとある女性に投げられたよ」
二人はきょとんとした。エリックは私の元へ歩いてきた。そして抱きしめて髪を撫でた。
「ごめん・・・ずっと一人にしてしまった」
家族は弱ったアンナを残して部屋を出ることにした。
「いいのですか?アンナさんを置いて行っても」
「立派な侍女を追い出すことは誰にも出来ないさ。今日はもう帰ろうか」
母は頬を膨らませた。
「嫌よ!せっかく来たんだから!もっとニーナと居たい!!」
「イリーナ・・・また来ればいいじゃないか・・・」
「でも!!」
「今は任せて・・・元気になった姿を見ようじゃないか」
「すぐ来るわよ!!」
「ああ、分かった分かった」
そのまま家族は帰って行った。部屋ではアンナは少し落ち着いたのか眠ってしまっていた。
「ニーナ・・・僕は大きな過ちを犯してしまった。兵を亡くし父も亡くした。君も危うく失うところだった。もう離さない」
「え・・・りっく・・・」
「僕はここだよ」
「わ・・・私は・・・?」
「お城に戻ってきたんだよ」
「い・・・きてる?」
「ああ、僕達は生きている」
私は意識が薄っすらと戻った。
「あ・・・んな?」
「彼女は寝てるだけだよ」
「よか・・・った」
声も出づらく、力も出なかったけど私は自分で座っていた。
しばらくしてユミナは食事を持って急いでやってきた。
「ニーナ様!!起きていらっしゃいますか!!」
「ゆ・・・みな」
掠れた声で呼ぶとユミナは安堵した表情でこちらへやってきて涙を流した。
その後はゆっくりと食事を与えられ、私はゆっくりとベッドを降りた。最初は誰かに支えてもらわないと立てなかったが少しずつ普通に立てるようになっていった。




