家族の力
【エリック】
「いつまでそうやって突っ伏してるつもり!!」
従者の1人が止めに入った。
「それ以上近寄るな!!」
「それでもニーナの夫なの!!」
「止めろ!!」
その女性はついに従者の足を凍らせた。
「いい加減目を覚ましなさい!!」
僕は胸倉を掴まれ上体を上げさせられた。
「貴方がどんなに偉い人かなんて知ったことではないわ。このタリア!情けない人を見るのが一番嫌いなのよ!」
「うっ」
「で、殿下!!」
従者は何とかしようとしているが動けずにいた。
「このまま突っ伏しているよりも反省して前に進んでもらわないと困りますわ!!」
「前に進む?」
「ええ!貴方の妻は誰!!」
「・・・ニーナだ」
「ニーナは今どんな状態?」
「動けない」
「しっかり見て来なさい!!」
タリアは僕を投げた。
「今だけはなんて言いませんわ!相手が誰であろうとも!!」
タリアは凄い気迫で僕に迫った。
「貴方は一国の王になってこの国を治める人間なのよ!!妻一人助けられない王が国の事なんて任せられるわけないじゃない!!」
タリアはそう言うと従者の足の氷を溶かした。従者は掴みかかろうとしたがタリアの作った氷の壁に衝突した。
「ここまで言って動かなきゃ本物のヘタレね」
タリアはそう言うと部屋を出た。僕は運ばれてきていた食事を無理にねじ込むと同じように部屋を出た。
【ニーナ】
「待ちなさいイリーナ!!」
「王子!!どこにいるの!!」
必死に止める父を母はいなしながら叫んでいると母はタリアと会った。
「貴女、王子・・・殿下の場所を知らないかしら?」
「知りませんわ、でも、もう少ししたら向こうから来ると思いますわ」
そう言ってタリアはスタスタと歩いて行った。
部屋では姉が必死に祈るように手を握り、アンナは力なく手を取っていた。ユミナはそれぞれ何が最善なのか分からずに戸惑っていた。
「う・・・動いた!」
姉がそう言って手を離すと手はベッドに落ちたが少し指が動いた。その声に弱弱しい笑顔でアンナは喜び手を擦った。
「ニーナ様おかえりなさい」
私はまだ夢の中で足掻いていた。手探りの様に歩き回っていた。
エリック・・・アンナ・・・待ってて・・・
そして部屋ではユミナも私の顔を急いで覗き込んだ。
「おかえりなさいませ」
そう呟くとユミナは部屋を急いで出て行った。
「ニーナ様・・・次は何をしますか?また、魔法ですか?それともどこかへお出かけですか?」
アンナは弱弱しく語り掛けていた。同じように姉も語り掛けた。
「ニーナ・・・たまには私にも手紙をくれてもいいのよ?私だってもうすぐ結婚するんだから・・・」
「あ・・・あ・・・」
私は少し声を漏らした。
「アンナ!今!」
「聞こえましたよ・・・ニーナ様」
母達は部屋に戻ってくると姉達の様子をみて察して近寄った。
「ニーナ!私よ!!」
母は必死に私の顔の近くで声をかけた。父はドアの近くで心配そうに見ていた。
私は意識は無かったがゆっくりと上半身だけ起こした。




