覚悟の顔
私は気が付くと知らない所に居た。
確か、ツラバスに報復するために攻めてる所で道中のテントの中だったはずなんだけど・・・
私の目の前に兵士達の楽しそうにしている所や家族と居る所が映し出され、その後に死に様などが映し出されていった。思わず私は耳を塞ぎ目を閉じた。それでも悲鳴は聞こえてきて。私は後悔していた。
こんな事になるのなら結婚なんてしなきゃよかったんだ・・・こんな事になるなら魔法を勉強しなきゃよかったんだ・・・
「何をしているの!」
「え?」
「お前は何をしているのかと聞いているんだ!」
なぜか耳を塞いでいるのに聞こえてくる悲鳴と共に幼い子の声が聞こえてきた。
「私の体を乗っ取ったくせに何をしているのかと聞いているんだ!答えなさい!」
もしかして、ニーナさん?
「わ・・・私は」
「こんな所で死んだらお前どうなるか分かってるでしょうね!」
「でも、貴女の体を使って人を・・・」
「なんだかんだ言って私の体を好きに触ってた男が何か言ってるわ」
「ニーナさん・・・」
「本来なら死んでいた私を救ったんだから最後まで生きなさい!」
ニーナは後ろを向いて走って行った。
「待って!!」
【エリック】
「アンナさん・・・ニーナを頼めるかい?」
「はい!お任せください!!」
「少し声を落とそうね」
「あ、すいません・・・」
僕はアンナにニーナを任せると父の元へと移動した。
「父上!」
「なんだ」
「先ほどのはやり過ぎだと思います」
「そんなことを言いに来たのか?」
「いえ!僕はこのまま城を目指したいと思います。ニーナを置いてですが!」
「どういうことだ?ニーナが居なければ勝てぬ勝負だぞ?」
「今のふらふらなニーナを連れて行っても危険なのは変わりありません」
「ならば、どうするつもりだ?」
「今の兵力では守ったところで負けるのは目に見えています。ならば攻めるしかありません」
「ニーナの力を抜いてか?」
「僕が前に出ます!」
父は鼻で笑った。
「お前が出て何ができるというんだ!」
「指揮を執り城を落として見せます!」
「いたずらに兵を消耗させるだけだ止めておけ」
「いえ!これだけの兵が居れば落とせます!」
「ざっと見積もっても我が兵の倍は居る城を落とす。そんなことが出来るとでも?」
「ニーナをこれ以上苦しめる訳にはいかない!!」
「アルゴスは自ら行ったというのにな・・・」
「アルゴス様とニーナは違う!」
「ならば・・・己の命、己で掛けてみよ!」
「いいのですね・・・」
「ああ、好きにせよ」
僕は兵に命令を出し、準備させた。
「もう少し早くあの顔をする事が出来ていれば、また違った結果になったかもしれんな」
父はそう呟くと剣を手に取った。




