うまく乗り越えて見せる
こうして数日が過ぎてドレスと靴をセバスが持ってきた。
ついに、来ちゃったわね・・・ドレス。すごく落ち着いた色に仕上がっててこれなら目立たないかしら。
「ニーナ様、ニーナ様。ドレスですよ!」
少し興奮気味なアンナをなだめながら私はドレスを眺めた。
「こんな綺麗なの本当に着ていいの?」
「何をおっしゃいます。お嬢様の物ですよ」
セバスはそういうとメイドを一人呼んだ。
「さて、さっそく着てもらいましょうかお嬢様。アンナも勉強だと思って見ていなさい」
セバスはそういって部屋の外へと行った。
私はそのメイドに言われるがまま準備を進めていった。
コルセットやそれ用の下着など、どんどん進んでいき気づけばドレスを着ていた。
その後、化粧をして髪を整えた。
私は、鏡を見て驚いた。
こんなに変わるの?どこのお姫さまだろ・・・
「お綺麗ですよ。お嬢様」
「本当ですね。似合ってます!」
私は少し照れてしまった。
少しするとセバスの声が聞こえてきた。
「お嬢様・・・もうよろしいでしょうか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
そういってセバスとお母様が部屋へ入ってきた。
母は微笑みながら私を抱き寄せた。
「ニーナよく似合ってるわ」
そっと後ろからアンナがネックレスとイヤリングを持ってきた。
「着けてあげるわね」
そう母が言うとアクセサリーを付けてくれた。
私は少し離れて全体を見せた。
周りの人はすごく喜んでくれた。私はそれを見てとてもうれしく感じ不安が少し和らいだ気がした。
ふと気づくと父もドアの方に居たのが見えたので私は父の方にも歩いていった。
「どうですか?お父様、私似合ってますか?」
「ああ、とても綺麗になったな」
そっと頭を撫でてくれた。私は驚いて少し目に涙が溜まっていた。
「ニーナ、せっかくの衣装だ泣いてはいけないよ。ほら、笑って」
初めて会った時より優しい顔をした父の姿に私は驚きながらもうれしくなってしまっていた。
私はこの姿をもう一度鏡で見て覚悟を決めた。
「私、うまく乗り越えてきます」
私は今できる一番の笑顔でそう言った。
周りの人は安心したような顔していた。




