ひとごろし
魔法兵は盾兵達の後ろに布陣して合図を待っていた。
魔法兵の守備兵は王の周りに居て緊張して、攻撃兵は盾兵の後ろで隠れていた。
「ナグア、頼んだわよ」
「お任せください!必ず守って見せます」
「自分達を守るのよ!」
「・・・はい!」
そして準備を整えると少しずつ前進していき国教と砦の間まで進んだところで義父とエリックは止まり、他の兵達を前に進めた。
国境付近に近づくとツラバスの兵も此方へ行軍し始めた。そして開戦した。
ツラバスには騎馬隊も居て前衛は押され気味だったが魔法兵の力で何とか押し返していた。そしてテラゴニアの弓兵達は一斉に矢を放つと相手側も同じように矢を放った。互いに譲らない戦いとなり犠牲者も増えていった。魔法兵は数人やられてしまった。
ただツラバスの方は本隊では無かったためしばらく抗戦をすると撤退を始めた。
「引いたか・・・」
「被害は!」
「被害は軽微!このまま戦闘可能です」
「そうか、地図を出せ!」
義父は地図を出すと一番近い相手の砦を指を指した。
「先ずはここだな」
「確かに近いですが」
「なんだ?」
「ツラバスの兵が城から来た場合危険では?」
「どこの砦に行ってもその可能性は拭えないだろ。それにだ・・・」
義父は私を呼びつけた。
「ニーナの力で制圧してもらう」
「な!?」
「え?」
「城攻めの時だけだとでも思ったのか?」
「しかし!1人で砦を攻めさせるなど!」
「守りの兵は付ける」
「危険には違いありませんよ!?」
エリックは最後まで反対したが私は出ることにした。
テラゴニアは行軍を続けてツラバス国の中へと入った。そして近場の砦に移動していた。
魔法兵達はやられた仲間達の事を考え気持ちを落としながら進んでいた。数日後、砦の近くまでやってきた。
「では、ニーナ任せたぞ」
「はい・・・」
私の表情は既に無くなってきていた。そして一部の兵を連れて砦へと向かった。
砦には兵が沢山居たのが見えた。私達を見つけると中から沢山兵が出てくるのが見えた。私は構わずに炎の初級魔法を大きくして砦に放った。砦にも魔法兵は居たみたいだったが私の魔法を相殺出来ずに巻き込まれていった。
もう・・・後戻りはできない。私は人殺しになったんだ。アルゴス先生もこんな気持ちだったんだろうか
砦は一気に崩れ、中に居た兵も巻き込まれていった。外に居た兵もその様子を見て逃げ出していった。
私は震えが止まらなくなり顔からは生気が抜けて、表情も死んでいた。




