おじさんの勉強
ダンの様子を見るため研究室へ行くと珍しくマカオンが煙を吹いて座っていた。
「えっと・・・ど、どうしたの?」
「ん?ニーナ様か・・・」
目の前にあるのは魔法についての基本が書かれた本だった。
「マカオン珍しいわね」
「あの隊長がたまには勉強しろって指示を出してきてな」
「そ、そう・・・」
「理解しようとはしてるんだぜ?だけど、頭に入っていかないんだ」
「感覚的に考えてみたら?」
「感覚?」
私は本を最初の方のページにすると指を指した。
「なんとな~く、魔力はどの人にもあって、詠唱と術式で使えるということは分かるかしら?」
「そりゃ~基本中の基本くらいは・・・」
「じゃあ・・・詠唱にも術式にも魔力を扱うための・・・勝手に魔力を持ってくものが含まれているというのは?」
「ま、まあ分かるぜ」
少しずつ顔色が変わっていくマカオンを見て私は変な汗をかいた。
「な、何が知りたいのかしら・・・」
「さあ・・・?」
「そこからよ、マカオン」
「そこからか・・・」
そしてマカオンはパラパラとページを捲っていくと
「なあ、魔力って分かるようになるのか?」
「その気があれば?」
「姫さんの凄さは分かるぜ?でも、魔力ってなんだろうと考えるけど分からないんだ」
「私だって魔力って意味は分からないわ」
「そうなのか?」
「不思議な力としか思えないもの」
「それであの力を出せるのか?」
「出てるわね・・・」
マカオンってたまに不思議な事言うわね
「大気中にもあったりいつの間にか体の中の魔力が回復していたり、そんな仕組み完全に理解したわけじゃないわ。ただ、使い方を自分なりに理解したつもりなだけよ」
「自分なりにか・・・」
「私の場合、体に何か暖かいものが流れたのが分かったの、それを操作しようとしたら出来ちゃっただけ」
「案外姫さんも感覚派なんだな」
「ええ、まだまだ研究が足りないと思ったわ。でも、色々試していくうちに色々出来るようになったわ」
「じゃあ、俺も色々試すか!」
「勉強しなさい」
マカオンはがっかりしながら本を読み始めた。
「マカオン・・・貴方はどんな魔法使いになりたいの?」
「俺は・・・憧れの魔法使いになれればいいと思っていただけだからな・・・」
「憧れ?」
「ほら、魔法って派手で色んな事が出来てかっこいいじゃねえか」
「そ、そうね・・・」
マカオンは身振り手振りで表現して私は少し引いた。
「でもな・・・俺はこのナリだろ?だから戦士だとか言われることが多いんだ」
私も思ってたわよ・・・普通の兵士が迷い込んだのかと
「じゃあ、憧れた魔法使いはどんな魔法を使ってたの?」
「とても派手だった・・・色んな魔法を放ってたな」
「火とか水とか無かった?」
「色々だな・・・」
「じゃあ勉強して色々覚えないとね」
「だあーやっぱりそうなるか~」
「感覚的に全部出せるようになったら勉強要らずかもね」
マカオンはその言葉を聞いた瞬間本を閉じて外へと走って行った。




