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式典

少し日が進みリリアンナは家を捨て、他国へと行ってしまったと兵に伝えられた。


私はその結果を聞いて、なぜか妙に不安になっていた。


他国・・・隣国かしら、それとも帝国かしら・・・別の国かもしれない。情報を持って逃げたと考えるのが妥当かしら


私は不安を抱きながら王に呼ばれて式の話を聞いた。式はもうすぐ行われ王子と一緒に国民へ顔を見せる事を言われた。その他は特に無く、リリアンナの事、戦争の事など一切言われることが無かった。


私はその時のためにドレスを作りテリサに最後まで教育してもらいながら日が進んでいった。そして、式典が行われる日となった。


ついにこの日が来たのね・・・私は、元に戻ることも出来ずにエリックと一緒になるのね・・・


私は緊張しながらユミナとアンナに着替えや化粧をしてもらっていた。


「ニーナ様~前みたいにカチカチになってますよ~」


「ええ、緊張しちゃって」


私は引き攣った笑顔で鏡を見た。


「ニーナ様申し訳ございません。化粧の方が失敗になるといけませんので落ち着いていただけますか?」


「あ、ごめんねユミナ」


そして無表情になり鏡を見た。


しがない女の子に成り代わって、王子と結婚なんて話になっちゃって・・・首を吊ってた頃が嘘みたいだわ

私はこの世界に来て・・・色んなことを教わったわ。


アンナは髪を梳いて、ユミナは最後の仕上げをしていた。


私は他人の体を使って幸せになろうとしているの?本当に許される事なの?エリックが愛したのは・・・私?それとも・・・


「ニーナ様、何かご不満な事でもありましたか?」


「泣いちゃダメですよ~ニーナ様~」


私は気が付くと涙目になっていた。


「せっかくユミナに化粧してもらったのに・・・私ったらダメね」


私は涙を引っ込めるように上を向いた。


「二人とも・・・ありがとう」


二人の侍女は頭を下げ「いってらっしゃいませ」と言った。


そして部屋をノックする音が聞こえた。開けると王子がいつもよりもしっかりとして服装をして立っていた。


「エリック、来てくれたのね」


私は笑顔でその場に立つと王子は顔を赤らめた。


「似合ってるよ、ニーナ」


「ええ、ありがとう。エリックはいつも格好良くて素敵よ」


「ありがとう、じゃあ行こうか」


「ええ」


私と王子はそう言って城の入口の方へと向かっていった。


「今日は馬車に乗って城下を周るんだ。そして城に戻ってきて父上に宣誓してもらう予定だよ」


「馬車で城下を?」


「王都のみんなに君の姿を見てもらわないと」


「わ、私は何を・・・」


「笑顔で僕の傍に居てくれればいいよ。僕も笑顔で傍にいるから」


そうして入口まで行くと綺麗な馬車が用意され、兵士は馬に乗って待機していた。


「・・・私、この中に行くの?」


「緊張するかい?」


「あ・・・あの・・・心の準備が」


私が目を回しそうになっていると王子は私の目の前に立って手を出した。


「さあ、ニーナ行こう」


私は周りの目を気にしながら王子の手を取ってエスコートを受け馬車に乗った。そして式典は始まった。

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