リリアンナとのお茶会(終)
私の心配をよそに王子は優しく微笑んでリリアンナを見ていた。
エリックは誰にでも優しいのね・・・
リリアンナは俯きまた涙を流し始めた。王子はその姿を見て心配するように立ち上がり近づいた。その瞬間リリアンナは王子に抱き着いた。そして明らかに私の方を見ていた。
「落ち着くまでこうしていてもいいかしら・・・」
リリアンナはそう言って私の顔を不敵な笑みを浮かべながら見ていた。
この人の狙いは本当に私を蹴落としたいの?それともエリックと居たいの?
私は困惑しながらその様子を黙ってみていた。
「そうだね、それで気が済むのならこれくらい構わないよ」
王子は一切手を出さずにただその場に立っていた。
「どうして何もしてくださらないの・・・」
「僕は君の事を慰めることはできない」
「冷たいのですね」
「そうかもしれないね」
私は少しずつ落ち着かなくなってきていた。それに気づいてなのかリリアンナは嬉しそうな顔をしていた。
「少し落ち着いたね、さっきと声が違うよ」
「そ、そうですね・・・名残惜しいですが」
そっと王子はリリアンナと距離を取った。
「僕は君自身の言葉で本当の事を聞けたらと思ったけど、無理そうだね」
「私は偽りなど!」
「・・・そうだね、僕からはこれくらいにしておこうかな」
王子はそう言って私の横に立った。そしてリリアンナは怒り、その場にあったカップを私に投げつけようとした。しかし、私はすでに魔力をカップに纏わせていたので飛んだカップはすぐに失速して宙に浮いた。
「な・・・なによこれ・・・」
「あまり物に当たるのはよろしくありませんわ」
「うるさいわよ!あなた何者なのよ!!」
「私は殿下の婚約者ですよ」
私はそう言って王子の手を取った。その様子にリリアンナは悔しがる様子を見せた。
「貴女は私を蹴落としたいと言ったり、殿下に言い寄ったりと何がしたいのか私には分かりません」
「分からないならもういいでしょ!!」
「ええ、帰しても良いと思います。ただし、家には帰れないと思った方がいいですよ」
「ええ、貴女の事ですから、嫌らしく兵でも付けるのでしょう」
「よくお分かりで」
「別にいいわ!早く帰してもらえるかしら?」
「ええ、分かったわ。殿下、私も城下に行ってもよろしいですか?」
王子はその言葉に驚いた。
「え?今かい?」
「はい、兵の代わりに彼女に付いていきます」
「駄目だよ!また、狙われるかもしれないからね」
「何のつもりよ!私の後を付けるなんて」
「私こう見えて探偵ごっこは得意なのよ?」
私は王子とリリアンナを困惑させながら殺風景なお茶会は幕を閉じた。その後、私の案は却下されリリアンナには兵が数人付いて行った。




