猫かぶり
王子はその女性に近づくと微笑みながら話しかけた。
「リリアンナ、来てくれていたんだね」
「あら、殿下お声がけいただき光栄でございますわ」
「少し話せるかい?」
「ええ、喜んで」
・・・女性?第1か第2婦人になる方かしら
私が頓珍漢な事を考えて見ていると、話が進んでいった。
「君の名前は名簿には載っていなかった。つまり招待された客では無いか、偽名ということになるね」
「あら、それでも門番が居たはずよね?」
「そう、だから招待されている客だという事になる。だとすれば、偽名と考えるのが妥当だと思うんだ」
「それで?」
「君の狙いはなんだい?」
「ふふふ、貴方よ?」
リリアンナは艶やかな手つきで王子に纏わり付くように近づき私の方を見た。
「ねえ、知ってるかしら・・・あの娘、周りからはあまりいい風に見られていないの」
「・・・そうか」
「今もほら・・・一人になった所を見て女性達が狙ってるわ」
私は嫌な視線を感じて周りを見渡した。
あ~いつものだわ・・・
そして王子は私の方を少し見たので私は頷いた。
「僕の妻になる女性だからね、簡単には折れないよ」
「そう、信用してるのね~羨ましいわ~」
リリアンナは不敵な笑みで王子を誘惑していたが王子は毅然としていた。
「さて、君の正体を教えてもらえるかな?」
「あなたの知っている通りリリアンナよ?」
「そうか、王族と知って嘘を付くのだね」
「あら、嘘と決めつけるのはよくないわ~」
「さっきの会話をもう一度した方がいいかい?」
「そうね~全員の名前と言っても抜けてる可能性だってあるのよ?」
「では、名簿を持ってこさせようか?」
「そんなに女性を秘密を暴いて楽しいかしら?」
「という事はやはり偽名という事かな?」
「ふふふ、ご想像にお任せするわ~」
王子は使用人に名簿を渡された瞬間にリリアンナは姿を眩ませた。
私はその人の魔力を探知しながら廊下へと追いかけた。
「あの、あなたはさっき殿下とお話ししていらした方ですか?」
そしてリリアンナに追いつくと私は猫を被るように話しかけた。
「・・・あら?思ったキャラと違うじゃない?」
リリアンナは嫌な笑みを浮かべながら私に近づいて来た。
「お、思ったキャラですか?」
「こんな弱弱しい守ってもらいたいオーラ出してる女じゃなくて、もっと強い女かと思ったわ」
「弱弱しいですか・・・」
「王族に嫁ぐのにこんな性格じゃすぐに終わるわね。私の手を下す必要もないわ」
「手を下す?ですか?」
「ええ、気に食わないから蹴落としてやろうと思ってたの」
「そんな、酷いです・・・」
「これがあなたの居る世界よ。分かったらさっさと田舎に帰りなさい」
「い、嫌です。殿下と居たいです!」
「そう、頑張ってね」
「あ、あなたの名前は教えてくださらないのですか?」
「自分が名乗ったら?」
「失礼いたしました。ニーナ・クロフォードと申します」
「本当に無礼な子ね。ほっといても消えちゃうわね。あなた」
「あの・・・お名前を・・・」
リリアンナは威圧的に答えた。
「あ?リリアンナよ」
「リリアンナ様ですか?家の名前なども教えていただけませんか?」
「あなたに名乗る程安い家名はしてませんの」
「・・・本当はブラックマンなんて家ありませんものね」
「え?」




