領主スヴェン
私は久しぶりに社交界への出席を王子から求められ出ることにした。会場はお城だったので警戒は薄くなっていた。
貴族達はそれぞれ挨拶を交わし、意見交換などを行っていた。中にはお相手を探す人も居て初々しい所も見れた。
私は王子と一緒に歩いていると、色んな人が挨拶や内政の話や領地の問題などを相談しに来たりしていた。私は隣で笑顔で聞くことに徹していると、兄がやってきた。
「エリック殿下、妹がお世話になっております」
「じゃあ君がスヴェンさんですか?」
「はい、スヴェン・クロフォードと申します」
「お兄様?いらしてたのですね!」
「ニーナ!元気だったか?」
私は思わず王子の前に出て兄と手を取り合った。王子はその様子をニコニコと見ていた。
「ええ、お兄様こそあれから大丈夫でしたか?」
「実は、その話もあってここに来たんだ」
兄は私の手を離し、王子に頭を下げた。
「いきなりで失礼かと思いますが、クロフォード領のお話をさせていただいてもよろしいでしょうか」
「ああ、聞こうか」
「ありがとうございます。現在公爵領になった事もあり兵を拡充するようにしているのですが、兵が集まることがありません。おそらく今までクロフォード領は一番戦争や争い事が少ない領地として認識されてきたおかげとも言えます。兵役が嫌だったり争い事が嫌な人が来るそんな領地だったのが急に公爵領になり兵を募るようになってしまったので場合によっては人が流出する恐れもあります」
「農夫が減ると言いたいんだね」
「はい、そうなると取れる作物が減る恐れが出てしまうので少し拡充する兵の数を減らしてもよろしいでしょうか?」
「そうだね、クロフォード家が崩れると下手するとこの国が飢饉に襲われかねないからね父にもそのように伝えておくよ」
「ありがとうございます」
「でも、君がこれを伝えに来るということはエヴァンさんから家を譲り受けたのかい?」
「はい、ですが現在も父は内政の事などやっておりますので、僕は名前だけですね・・・」
「そんなことないさ、ここまで来てしっかりと現状を伝えてくれた。僕から見ても立派な領主だと思うよ」
「恐縮です」
「これからもよろしく頼むよ」
「こちらこそ不束な妹共々よろしくお願いいたします」
王子と兄はそう言って笑顔で握手をした。
「お兄様!」
「ニーナ、しっかりやるんだよ!僕もシャノンと頑張ってクロフォード家を存続させるから!」
「また会える日を心待ちにしております」
「ああ、またいつか!」
兄はそういうと他の貴族達にも挨拶をして回っていた。
王子はとある女性に気づいた。そして私に「しばらく頑張れるかい?」と聞き、私が頷くと王子はその女性の元へと歩いて行った。




