怪しい術式
私も次の日からヤボヒの様子を窺うようにした。
朝早い時間からヤボヒの居るという部屋を魔力で探知してヤボヒを探して見たが、そこには既に居なかった。なので、同じ部屋の人に話を聞いてみた。
「おはようございます。ヤボヒさんの居る部屋で間違ってないですか?」
「ニーナ様ではありませんか!どうしてこのような所に!」
「いえ、少しヤボヒさんの様子を見に来たのです」
私は笑顔で心配そうな声を出して言うと兵士は不思議そうな顔をした。
「またどうして?」
「訓練にも来てないようですので心配になりまして」
「一兵士にそのような手間を取られなくてもよろしいかと思いますが・・・」
「私にとっては大事な兵ですから」
「私もそう思われたいです」
「ふふふ、いつも国を守ってくれてありがとうございます」
「ありがたきお言葉!」
その兵士は泣きそうになっていた。
「それで、ヤボヒさんは何処へ?」
「そうですね・・・実は私も最近見ていないのです」
「部屋に戻ってないと?」
「はい、荷物はあるのですが・・・」
兵士は部屋を見せ、ヤボヒの私物らしき物を見せた。
「彼は何も言ってなかったですか?」
「はい、いつもの様子でした」
ここでも同じ感じなのね。
「お忙しいのにありがとうございます」
「いえ、勿体ないお言葉!」
兵士は頭を下げ、私はヤボヒの私物を少し調べてみた。しかし、何も手掛かりは無かった。
変わった術式が置いてあるだけね・・・こんなのは私も見たことないわね。でも、ヤボヒって術式を使う人だったかしら。
そんな事を考えて宿舎の範囲を探知してみることにした。中にはかなりの人が居て私は少し酔いそうになりながら探して見た。
怪しい感じは無いわね・・・人が多くて分かりづらいけど
その後も手掛かりを探していたが城の中には全くなかった。
後は、城の外ね・・・
私は城の門の方を見ていた。すると、後ろからユミナが制止してきた。
「申し訳ございませんが、外にはお出にならないでください」
「ええ、分かっているわ・・・あなたにも迷惑が掛かるものね」
「ご理解いただきありがとうございます」
私は頼るべき人に頼ることにした。
「エリック!ヤボヒがどこにも居なくて後は城の外を調べるだけなの!」
「わ、分かったよ。じゃあ誰か向かわせるから・・・」
「で、ですから!城の外に!!」
「行きたいんだね・・・」
王子は呆れた顔をしながらため息をついた。私はアンナを呼んで一緒に頼んだ。
「アンナ一緒に頼むわよ!」
「はい!ニーナ様!」
「お願いします!」「お願いします!」
「・・・あんな事があった後だからね。簡単には出せないんだよ」
アンナは口を尖らせて拗ねたふりをした。
「だって~たまにはニーナ様とお外でデートしたいですし~私ニーナ様を守れるくらい強いですし~」
「君の侍女も面白い子だね・・・」
「え、ええ・・・いつもの通りである意味安心しました」
私と王子は冷や汗と共に呆れた目でアンナを見ていた。




