戦争の噂
日が進んでいくにつれて、不穏な噂が兵達の間で広まっていた。
とある一室の兵士達が話していた。
「隣国ツラバスが攻めてくるんじゃないか?」
「怖い事言うなよ・・・俺まだ死にたくないぜ?」
「でもよ?間者が居たって噂じゃないか」
「あ~それ俺も聞いた!エリック殿下の婚約者を狙ったっていうやつだろ?」
「そんなことあったのか?」
「ん?」「ん?」
ブランドがやってきて一言気合を入れ喋っていた兵を外へと追い出した。
「まったく・・・要らん噂を広めよって」
ブランドは兵達が居た所を見ていた。
「戦争が近いというのは酷な事かも知れんな・・・」
私は今日も魔法兵を見に来ていたが、外は人が少なかったので研究室へと移動した。
あら・・・気のせいかしら空気が重い
「ナグア?」
「あ、はい!」
私はナグアを部屋の外へと呼んだ。
「何があったの?」
「これは・・・噂の所為かと思いますけど・・・」
「噂?」
「戦争が近いと言う噂ですよ。魔法兵以外の兵の人達が話していたらしいので」
みんなそれで不安になったのね・・・
「ニーナ様の事も噂になってましたよ?」
「私?」
「間者に襲われたって」
「あの話広まったの?ナグア話した?」
「話すわけないじゃないですか!」
慌ててナグアは手と顔を横に振って否定した。
このままいけばきっと戦争になるわね・・・私が連れて行かれそうになったのはヘレテ帝国で戦争する相手じゃないと思うんだけど・・・
「ニーナ様・・・私達本当に」
「エリック殿下は戦争を避けようとしてくれているわ・・・信じましょう」
「殿下は信じておりますが・・・相手の国の事は信用できませんよ!」
ナグアは少し怯えた顔をしていた。
「相手国に話をしに行くなんて無謀なんです!」
「ナグア」
「その場で殿下に何かあれば!」
「落ち着きなさい」
私はナグアの顔をそっと両手で触り目を見た。
「今は、戦争が起きないことを祈りましょう」
「すいません、取り乱しました」
ナグアは私の目を見てから落ち着きを取り戻していた。
「ナグア・・・もしもの時はあなたに任せるわね」
「ニーナ様縁起でもないこと言わないでくださいよ・・・」
私は微笑みを浮かべて研究室へと戻って行った。
「ニーナ様・・・私達は守れるでしょうか・・・」
ナグアはそう呟くと研究室のドアの前で立ち尽くしていた。
「ほらみんな~頑張らないとブランドに見てもらうわよ~」
一斉に「えー!」と声が部屋の外へと響いていた。
「後輩が出来るかもしれないですからしっかりやらないと笑われちゃうわよ~」
ナグアはその言葉を聞きながら壁を背にして笑って座り込んだ。
「後輩が来る前に私達居なくなっちゃうかもしれないのにね・・・」
そのままナグアは小さくなっていた。




